痴 呆 の 進 む 老齢の祖母を介護する母のストレスが充満する実家は決して居心地のいいものではなかった。 会社に行けば社長(国広富之)と専務に 「女は若いうちに結婚するべきだ」 とセクハラ三昧の言葉を浴びせられる日々。
その日春子は 、母からトイレットペーパーを買って来てほしいと言われ、近くのドラッグストアに行く。 そこでレジを打っていたのは幼馴染みの曽我雄二(石崎ひゅーい)だった。曽我から、杉崎ひとみ(芹那)が結婚したが不倫して帰ってきた話を聞かされる。 そして今夜暇かと去り際に声を掛けられる。 春子は特に予定はないと言い、夜呼び出される。 しかしそこはゴミ屋敷のようで、曽我はそこに一人で住んでいるのだった。
20歳の愛菜(高畑充希)はとある地方都市の成人式の会場で、大学進学のため名古屋に行った中学時代の同級生のユキオ(太賀)と再会する。 ほどなくして大学を中退し、地元に帰ってきたユキオと、なんとなく会って遊んだり、なんとなくセックスする間柄になっていく。
学とユキオは再開後一緒にいる時間が増え、ユキオは学にあるDVDを見せる。 それは、グラフィティアーティストのドキュメンタリー映画で、映画に登場する覆面アーティストのバンクシーに感激をする。
そして二人は夜中に、いろんなところにペイントでグラフィックを書いて行く。 初めは地味な男の顔だったが、そんな時行方不明のポスターから、28歳・安曇春子の行方を探す“張り紙” をモチーフに、春子の顔とMISSINGという文字を合わせてグラフィティ・アートにし、街中に拡散していく。 そこに、愛菜も合流し、どんどんエスカレートしていく。
一方その頃、〈少女ギャング団〉による男性のみを襲う暴行事件が巷を騒がせていた。 インターネット上ではその事件と、アズミ・ハルコのグラフィティ・アートの関連が噂されていたのだった…
監督は松井大悟、旧作では 「スイートプールサイド」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14049004.html を見ていますが、俳優としてもいろいろ出演歴がありますね。
主演は蒼井優で、「百万円と苦虫女」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13411782.html での主演が好きですね。 共演は高畑充希、最近の出演作は 「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」 ですが、そちらは未見です。
正直難解な作品、時間軸がなかなか難しいんですね。 よく見ていないと、これはどこの時点の映像なのかが伝わり辛く、逆にそこがポイントになっていきます。
春子の物語だけを追いかけていても、急に昔のシーンなどが差し込まれ、いきなり場面が愛菜に切り替わり、そしてユキオ、学になっていくところはどうやら時間がちょっと未来なんですね。
ポイントは27歳の春子と、行方不明のポスターのアズミ・ハルコの年齢ですね。 ただ、そのわかり辛さを省くと、ちょっとしたサスペンス、そして謎の少女ギャング団が独特な存在感を出しています。
どうして男たちに復讐をしているのか? そこには触れていませんが、ちりぢりになった切れ端を見る側に繋ぎ合わさせていく、軽いサスペンス調の作品でしたね。