anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

あの子を探して

1999年作品、張芸謀監督、魏敏芝、高恩満出演。

中国、河北省赤城県チェンニンパオ村にある水泉小学校。 親の病気のため休職したカオ先生(高恩満)に代わって、14歳の代用教員ウェイ(魏敏芝=ウェイ・ミンジ)がチャン村長(田正達=チャン・ジェンダ)の要請によって教壇に立つことになった。
自分が子供たちに勉強を教えられるのか? 不安いっぱいのウェイだったが、カオ先生からは、自分がいない間に使うだけのチョークを与えられ、1日1本使って、教科書を黒板に書きそれを生徒に書き写させるだけでよい。 そしてたまに歌を歌わせるようにと言われる。
しかし一番重要なのは生徒の数を減らさない事、ウェイはそれが頭から離れなかった。
彼女はこの仕事をすれば50元もらえると言われてきたが、先生も村長もまったく払うそぶりが無かった。 慌てて車で出発する先生を追いかけそのことを確認するが、お互いにお金の話は相手任せになっていた。
いざ授業が始まり、生徒たちはこんな自分と大して変わらない女の子が先生だなんてという態度が露骨に出るようになる。 そして、悩みの種は10歳の腕白坊主チャン・ホエクー(本人)だった。
またある日、街の学校の教師がやってきて足の速い女の子を連れて行ってしまう。生徒が減ったら困るウェイは彼女を隠すが、ホエクーが居所を話してしまい彼女は街の学校に連れて行かれる。
ある日、チャンが登校していないのに気づいたウェイが彼の家に行くと、病気の母が出てきて、チャンは家計を 助けるために出稼ぎに出たと言う。 ウェイはチャンを連れ戻そうとするが町を出るバス代がない。 皆で協議の結果、レンガを運んで金を稼ぐことになるのだったが…

張芸謀監督作品は、日本の降旗監督との共同作品で、「単騎、千里を走る。」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7379295.html ですね。 健さんの最後から2番目の作品、中国パートを監督が撮っています。
タイトルの感じから、どういう展開になっていくのかが初めわかりません。 幼い代用教師の奮闘記に見えるんですが、実は、このホエクーとの前半のやり取りが大きな伏線になっていくんですね。
“生徒を減らしてはいけない” カオという教師はどうして彼女にそれを一番強く言ったのか? まああとから考えると、貧しさに負けて、学校に来なくなってしまう、勉強よりお金を稼ぐことになってしまうという、それがあとあと子供のためにならないという事を言いたかったんでしょうね。
しかし、それは大きなジレンマを抱えていること 、特にホエクーの家族は父親がいないし母親もほとんど伏せっているんですね。 借金もあるようで、どうしようもない状況とのことですが、それでもただ生徒を連れ戻すという一念を持ってウェイは突き進んでいくんですね。
ほとんど素人とというか、現地の人間を使っているのかな? と思える作品ですが、幼いながらも、教室が一つになっていくシーンや、二人が再開するシーン、ウェイが訴えるシーンが何か心に大きく響いてくるんですね。
最後の展開は、ちょっと出来過ぎの展開ですが、貧しい地域の中国でこんな奇跡があってもいいじゃないか、という強烈はメッセージに感じました。

イメージ 1
14歳の代理教員のウェイ

イメージ 2
貧しい彼女は50元につられてやって来たが、本当にもらえるのか確認する

イメージ 3
なかなかはかどらない授業

イメージ 4
チャン・ホエクーは手がかかる腕白坊主だが、街に行ってしまう

イメージ 6
探しに行くためにお金を稼ごうとする子供たち

イメージ 5
そしてウェイは彼を探しに町に出ていく

イメージ 7
そしてとうとうテレビで呼びかけるのだが

イメージ 8