anttiorbの映画、映像の世界

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ティエリー・トグルドーの憂鬱

2015年作品、ステファヌ・ブリゼ監督、ヴァンサン・ランドン主演。

エンジニアとして働いてきた中年のティエリー(ヴァンサン・ランドン)は、集団解雇の対象となってしまう。 ストライキを起こしてでも闘うと息まいていたものの、やはり会社を辞めることに。
就職センターから斡旋された、講習会に行ってはみたが、まったく雇用に役に立たない講習に、センターに文句を言いに行くティエリーだった。 
彼には妻(カリーヌ・デ・ミルベック)と障害を持つ息子(マチュー・シャレール)がいた。 二人を養うために、早く新しい職を見つけなくてはならないティエリーは、焦り始めていた。
スカイプで面接も受けるのだが、頑固な性格も災いし、なかなか面接はうまくいかない。 グループディスカッションの職業訓練の場では若い人から頑ななところを指摘されてしまう。
しかし、厳しい状況下にある彼にとって、妻や障がいを持つ息子の存在が唯一の救いだった。 当座の生活費や、車が故障してしまい新しい車が必要になった彼は 、貴重な財産のトレーラーハウスを売りに出そうとするが、やっと現われた買い手との交渉がうまく行かず、結局破談となってしまう。
そんな中、エンジニア職の希望はかなえられなかったが、ようやくスーパーの警備員の働き口を見つけられたティエリー。
しかし、それは、客だけでなく従業員にまで監視の目を向けるもので、不正を見つけ次第告発しなければならなかった。 ある日、告発された従業員が自殺。 ティエリーは会社側の厳しい対応に疑問を覚えるが…

主演のヴァンサン・ランドンは、過去作の 「すべて彼女のために」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10731532.html をはじめてみたとき、結構印象強かったんです。さらに、「母の身終い」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13805981.html では一転して母を見送る息子役。 存在感のある、苦悩に満ちた顔がなんとも強く頭に残る俳優でした。 そんな彼の新作公開ということで、上映開始日に早速。
監督はステファヌ・ブリゼ、「母の身終い」 でのコンビ再びですが、監督としての作品ももっと見たくなる独特なタッチ、見れる過去作も見てみたくなる監督になりました。
物語は、やっとのことで就職したスーパーの監視員で、ティエリーの苦悩がここから始まるんですね。 はじめは万引き犯を監視カメラや、店内の監視で見つけ、捕まえていくんです。 お買い上げいただければ、大目に見るというやり方ですが、払えなかったり抵抗すると、警察にという 方策を採っているんですね。
実は、昔私はCDショップに勤めていましたが、万引きが結構あったんですね。 私のいた店では、捕まえると問答無用で警察に引き渡していました。 当初はショッピングモールの警備員に連絡をしていましたが、程なく直接警察に通報するようになりました。 おそらく手口がどんどん悪質になっていったからでしょうね。
しかし、今作では、同僚の不正がこの後どんどん出てきます。 これは辛いですね。それもベテランのパートだったり。
実際のドキュメンタリーのような撮り方をする感じで、リアルな演出です。 だから逆に身につまされるお話になっていました。

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障害を持っている息子の世話をするティエリー

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しかしリストラにあい、、再就職のディスカッションに

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トレーラーハウスを売る交渉をするが

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やっと就けた仕事は警備員

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しかしそれは生々しい現場だった

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すさまじい現実に戸惑うティエリー

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