anttiorbの映画、映像の世界

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団地

2016年作品、阪本順次監督、藤山直美主演。

団地の窓から外を見ていた山下ヒナ子(藤山直美)は、ある男の姿を見つけた。 おばあさんが植木鉢を割ってしまったのを、丁寧に土を集めて持っていた袋に詰めてあげていた。
真城(斎藤工)という男性で、彼はヒナ子とその夫・清治(岸部一徳)が、家業の漢方薬局を畳み、団地の302号室に引っ越してきたのを探して訪ねてきたのだった。
彼はどうしても清治たちの漢方薬が欲しいのだ。 ぎこちない言葉を話す変わった男だったが、材料や道具を持ってきていた清治は、真城は最も効能があるのは山下夫妻の生薬だというので、特別に生薬を提供することになる。 以後、宅配便の男(冨浦智嗣)が定期的に302号室へ集荷に訪れる。
ここの団地は、自治会長の行徳(石橋蓮司)と妻の君子(大楠道代)、クレーマーで次期会長を狙う吉住(宅間孝行)に、暇を持て余した奥さま連中が暮らしていた。
清治の日課は、裏の林に行くこと。 ヒナ子はスーパーのレジのパートに出かけるが、彼女はついついお客に話しかけてしまい、店長からどやされる。
君子は清治に、次の自治会会長選挙では清治を推薦するつもりだと伝える。 最初は断ろうとする清治であったが、日が経つにつれて、次第に乗り気となってゆく。 しかし、投開票の結果、君子の夫の正三が大差で自治会会長に再選される。
後日、清治は、君子が清治の人望のなさを団地の住民と語っている現場に居合わせる。 その言葉に傷ついたある日、些細な出来事でヘソを曲げた清治が、「僕は死んだことにしてくれ」 と床下に隠れてしまう。
夫の姿が消えても淡々とパートに通い続けるヒナ子の言動に、隣人たちは妄想を膨らませるのだった・・・

上映館が合わなくて諦めていましたが、とある館で上映していたんで何とか鑑賞できました。 関東では興行規模が少ないですね~
監督は阪本順次、「人類資金」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10474775.html 「北のカナリアたち」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/7586543.html と近年は撮っていますが、私は原田芳雄の遺作になった 「大鹿村騒動記」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/5512532.html が好きでしたね。
主演は藤山直美、阪本監督とは「顔」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/14168443.html 以来のコンビですね。 あの作品もなかなか面白かったですが、今作も監督と彼女の域がぴったり、シュールな笑いや、爆笑のシーンも満載でした。
物語は、昔たくさん作られた公営住宅、団地で起きるいろんな事件?そしてそこにあるコミュニティー自治会での騒動のお話ですね。
山下夫妻は二人暮らし、老舗の漢方薬局は、しっかりと根付いていて顧客も多く健全経営だったようです。 しかし半年前二人はその店をたたみ、この団地に越してきたんですね。 その理由は悲しい出来事からでした。
表面上二人はそんなそぶりは見せないんですが、変わった男真城への接し方を見ていると、何かちょっと感じるところはありますね。 人付き合いがあまり上手くない夫婦、団地特有の独特な世界と、古くなった団地もだんだん空き室が多くなっている現状、リアルな現在の団地事情も描かれていますし、よくある犯罪なんかも起きそうな危なさも感じました。
この作品はジャンルは何でしょうかね? SF、ファンタジー、コメディ、ドラマ? どこに入れたらいいのかな?と 思いますが、ラストは一応のハッピーエンドに見えました。 でもあれは夢? それとも、真城のプレゼントなのか?
いずれにしてもなくしたものを取り戻した夫婦であって欲しいイラストシーンでしたが。

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二人を探し当て訪ねてきた真城

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清治は裏の林に行くのが日課、そこで団地の少年と

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そして彼女に自治会長に押される

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そして立候補するが

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あえなく落選、いじけて消えてしまう(^^)

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消えた清治に団地連中はあらぬ疑いを

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