やっと記者クラブとの信頼関係を気付きあげた三上(佐藤浩市)のところに、全県タイムス暫定キャップの山科(宇野祥平)がやって来た。 いままで壁があったので、広報室に気軽に入れなかったのだが、彼が言うのは、警察署内に人がいなくなっているという話だった。
刑事部・捜査一課に三上たちが行くと、留守番の刑事が一人だけで電話対応をしている。 何かあると思い、他のメンバーを探す三上たち公報員だったが、大部屋がいきなりある事件の対策本部になり、刑事たちはここに集合していたのだった。
さらに、事件の衝撃性は大きく、この地に各社が東京の本社から多くの取材陣を派遣、現地の記者クラブも、本社から来た取材班との軋轢も起こっていた。
やっと築き上げた記者クラブとの信頼関係に水を差すように、一向に増えない情報に記者の不満は溜まる一方だったことから、三上は一人、捜査一課長の松岡勝俊(三浦友和) を待ち伏せ、何とか被害者の父親の名が明かしてもらうのだった。
しかしそれ以外の情報は一切洩らされず、対応に出てきたのは、捜査一課ではなく、担当外の捜査二課課長の若い落合(柄本佑)だった。
しかし彼は何一つ情報を与えられず、被害者の父親の名前さえ知らないというロボットであった。 東京から来た各社の取材班たちからの怒号を受け、逃げるように退席する落合。
三上たち広報室も、板挟みになっている地元記者クラブも、まったくこの意味ないやり取りに途方に暮れていた。 そして三上はとうとうある行動に出るのだった…
この事件は地元だったらおそらく14年前のことを知っている関係者はいるんでしょうね。 でも、犯人は、身代金、受け渡しルート、まったく14年前と同じようなことをします。 違うのは14年前は公衆電話だったことが、今は携帯電話でやり取りをしていること。 そしてヘリウムガスで声を変えていることですね。
この時点で、犯人は何人かに絞られますし、ここで、三上宅にかかってきた無言電話も、だんだんわかってくる作りになっています。
前後編を通して見て、細かい部分の仕掛けだったりなかなかの作り込みをしていて、ここらあたりはおそらく原作をある程度踏襲しているんでしょうね。
それでも限られた4時間の枠内なので、多少飛ばし気味で、最後のクライマックスに時間をかけたんだろうという事は感じられました。
前後編という作りは、必ずしも賛成はしませんが、こういうサスペンスでは尺をどこまで取れるかと考えると、仕方がない部分は正直ありますね。
各々見応えがある2作品として仕上げることができるかにかかってくると思いました。