教師として、何とか正式採用を目指していたが、授業中にうっかりマイクを使ってしまい、それが問題となり、派遣を切られてしまう。 しかし通信教育のような家庭教師をネットではしている七海だった。
話は進み、結婚することになった七海。 相手も教師で鶴岡鉄也（地曵豪）という男、そして結納となり両家の両親が会うことになるが、何か七海側の両親はぎくしゃくしていた。 それは七海の両親はすでに離婚をしていて、とりあえず形だけ夫婦の格好をして出てきたのだった。
出席者の確認を二人でしていると、七海側の出席者が少ないことに鉄也は難色を示す。 それをラインでつぶやいたところ、ある人物から結婚式の代理出席の話を聞きつける七海だった。
待ち合わせの場所に現れたのは、なんでも屋の安室（綾野剛）という男だった。 物腰柔らかなこの男に彼女は代理出席を依頼する。 そして七海は、早くも結婚後家に入った方が言いと皮肉を言われた鉄也の母・カヤ子（原日出子）に、気にいられようと、教師をあっさりやめてしまうのだった。 しかし彼女にとっても派遣を切られていたので、いいタイミングだと自分に思い聞かせるのだった。
結婚式当日、鉄也が嫌なことを言う。 それは自分のアカウントネームを言い、今までつぶやいたことが自分たちと同じだと言いはじめるのだった。 慌てて否定する七海だった。
式は滞りなく終わったが、新婚早々、鉄也に浮気の疑いが浮き上がる。 それはあるはずのないイヤリングが、家に落ちていたことからだった。 そして彼女は安室に今度は探偵業務を依頼するのだったが、その直後、夫の浮気相手の女性の恋人という男がいきなり訪ねてくるのだった。
彼女の人生がどんどん落下していくのを彼女はまだ知らないのだった…
岩井監督の最新作、公開規模は少ないのは、この作品が長尺だからでしょうね。 私が行った、テアトル新宿は１回興行なので、満席でした。 隣で、スマホを開いていた若者には辟易しましたが。 混んでいるとあまりいいことが無い。
しかし岩井監督の作品は、あまり長さを感じませんね。 というのも、この黒木演じる七海がどうなってしまうんだろうという思いに縛り付けられてしまうんですね。
普通の女性、ちょっと優柔不断で、すぐに不利なことを隠してしまう。 それも得体のしれない人間をすぐに信じてしまい、利用されドツボにはまっていく。 まあよくある人生を踏み外してしまう典型的なパターンですね。
もちろんちょっと立ち止まって冷静に考える余裕があれば、何かがおかしいとは気が付くと思うんですがね～。
しかし、この七海という存在自体も不思議なんですね。 もちろんギリギリのところで、安室が不自然な救いをしてくれはするんですが、結局彼女は操られて生きていくんでしょうね。 ラストも、操り人形の糸が切れたとは言えない感じなんですが、いままでよりは多少マシになっていくところで映画は終わります。
今作はこの後出てくる、真白役のCoccoが好演ですね。 シンガーソングライターの彼女ですが、独特な存在感を見せています。 そして彼女の母親役に同じくシンガーソングライターで、今は女優としての活躍が目立つりりィが起用されているところが、上手い配役でした。
どんどん流された先に光が見えるのか？ 私にはその光は靄にかかっている気がしてならなかった作品でしたが。
初めて見る男と待ち合わせ、ラインで知り合う
そこで知り合った真白
