anttiorbの映画、映像の世界

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パフューム ある人殺しの物語

2006年作品、トム・ティクヴァ監督、ベン・ウィショー主演。

18世紀、フランス。 ここは悪臭漂う街だった。 そしてそこに物売りのみすぼらしい女がいた。 その女の腹は大きく、妊娠をしていた。 女は産気づいた、そしてあっという間に赤ん坊を産み落とすのだが、何食わぬ顔で、物を買いに来たお客に対して、赤ん坊にかまわず物を売り始める。
今まで女はもう3人の赤ん坊を産み落とし、育てることも無く殺していた。 しかしその時この赤ん坊は産声を上げた。 周りの者たちは驚き、そしてこの女が赤ん坊を殺そうとしたことに気が付くのだった。 女はすぐにつかまり絞首刑となった。
赤ん坊は、身寄りのない収容所に子供たちが集められていた修道院に運ばれる。 しかし、周りの幼い少年たちに邪魔ものにされ、今のうちに殺してしまおうと枕を押し付けられるが、間一髪ここの孤児院の監督者の老婆に助けられる。
そして彼は、ここで育っていくのだったが、労働力が着くとその老婆に、少年は醜悪な顔をした革屋に売られるのだった。 しかし売られた直後、その老婆は強盗に遭って殺されてしまう。
彼はジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)と名付けられ、ある特技を持っていた。 それは、何キロも先の匂いを嗅ぎ分ける驚異の臭覚を持っていることだった。 そして、なぜか彼自身には体臭がなかった。
ある日彼は、街に革屋に連れられて出た時、果物売りの女性に惹かれてしまう。 無意識に彼女に近づき、匂いを嗅ごうとしてしまう。 気味悪がられ逃げだす女の後を、彼は追って行ってしまう。 そして売れ残った果物を書こうしようとしている彼女に近づき再び匂いを嗅ごうとした時、悲鳴をあげられてしまう。
口を押さえて数分立った時、彼女はもう息絶えていた。 その時グルヌイユは、彼女の服を脱がし体の匂いを嗅ぎまくるのだった。
その日は急にいなくなった彼を、革屋は厳しく折檻するのだったが、やがてグルヌイユは、パリの香水調合師バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に届け物をすることになった。 そこで彼はバルディーニを驚かせるのだった。 全く教えもしないのに、一度かいだだけで、そこにある香料を混ぜ合わせ、あっという間に香水を作り上げてしまうのだった。
バルディーニは早速革屋から彼を譲り受け金を払う。 しかしその直後、革屋も川に落ちて死んでしまうのだった。
グルデウヌは、弟子入りして香水の作り方を一から教え込まれた。 しかし、彼が作りたい匂いというのは、あの殺した女性の匂いだった。 どんな匂いも残すことができると言ったバルディーニの言った通りあらゆる匂いを作り始める彼だったが、ある日調合機に猫を入れ猫の匂いを作ろうとしたのだった。
しかし生きている者の匂いは残せないと言われ、彼は倒れてしまう。 あまりに没頭していた彼は疲労から倒れてしまったのだった。 しかし、寝ているときバルディーニから、もっと高度な技術なら、それが実現できるかもしれない。 そう聞いた彼は、今まで蓄積した調合をすべて書き残し、バルディーニから離れパリに向かうのだった。そしてバルディーニも、その後、住んでいる家が全壊し命を落としてしまうのだった…

トム・ティクヴァ監督作品は、共同監督の 「クラウド アトラス」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11029566.html しか見ていません。 しかし監督パートだった部分にも今作での主人公役のベン・ウィショーを起用していましたね。 作風はちょっと通じる感じしますかね?
物語は18世紀にフランス。 ヨーロッパは華やかな部分と、大変不潔な部分が近世まであったと言われています。 香りに対して天先的な物を生まれ持っていたグルヌイユ。 彼は数奇な運命を持っていたんですね。
彼にかかわった者はことごとく死んで行く。 初めからそういう生い立ちで生きてきていますが、バルディーニと別れるまでは、意図して殺人を犯してはいません。 初めに殺してしまった女性も殺そうとではなく、ただ口をふさいでいた手に力が入ったから。
しかしここで彼がある香りに出会ってしまうんですね。 そこからもうグルヌイユはある一点だけを見つめて行動していきます。 そのためにはある主義性というか、若い女性はただの原料となっていくんですね。
端から見たら殺人鬼ですが、快楽は、暴力のために殺していくのではなく、ただ目的のために “禁断の香水” という誰も作れない香りのために。
冒頭は彼が死刑になる、罰を受けるシーンが流され、いずれは捕まるだろうことが予測される進行になっていきますが、その前に彼はその香水を完成させているんですね。 そしてその効き目は絶大でした。
しかし、それを成し遂げること自体が彼の生まれてきた目的、人生の終着点だったんでしょうね。
最後彼は消えたのか? それとも虐殺されたのか? ちょっとわかりづらいラストでしたが、どうも食べられたというのが本当みたいですね。
ただ猟奇的にはならない感じで仕上げてあるところが上手いと思いました。
これも印象深い作品になりました。

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数奇な運命の彼

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この女性をうっかり殺してしまう

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そして出会った師匠

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そしてパリに

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究極の香水のためにさらに

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