anttiorbの映画、映像の世界

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キミとボク

2011年作品、窪田崇監督、中村蒼主演。

配送業者のトラックが、荷物を届けに来た。 運転手がホロをあげると、そこにはまだ幼い子猫が乗っていた。 アメリカンショートヘアーだったが、前方から対向車にクラクションを鳴らされた時に、荷台から飛び出してどこかへ行ってしまった。
漫画家を目指す青年(中村蒼)は、ちょっと古いアパートに引っ越してきた。 有名大学に進学したのに、彼の夢は漫画家になること。 その夢を叶えるために、アルバイトをしながら、漫画を書こうと決心したのだった。
引越しの手伝いの友人(小林優斗)はしきりに惜しいと言うが、もう彼が決めたこと。そんな一人暮らしが始まろうとしたとき、アメリカンショートヘアーの猫(声:坂本真綾)と出会う。 迷い子猫で何とも愛らしい子猫だった。
“銀王号”と彼はなずけるが、友人はもっとかわいい名前を付けたほうがと言う。
銀王号は、子猫なのだが、もういっぱしの思いを持っている。 キミ=青年、ボク=銀王号、これから始まる二人の生活を感じているようだった。
青年は、持込み原稿を出版社にもって行くが、なかなか採用されない。 いまどきは軽い作品が採用になるんだと言われ、ちょっと頭に彼はきていた。
同じ大学に通っていて、地方から出てきた同じ漫画家志望の女友達(中村映里子)は、方言丸出しで、彼の画を絶賛し、書き方を教えてほしいと言う。 ちょっと彼の機嫌は直った。
“ボク”は、あまり餌を食べない、そこで高級な猫缶に替えてみようとする。 そうしないと、自分の食事を銀王号に取られてしまうからだった。
“ふたり”は、これからずっと一緒だった…

原作はやまがらしげと、元は製作の10年前に発表された自主制作FLASHアニメ作品なんですね。 監督は窪田崇、映画としては初鑑賞ですが、ドラマ、PVを多く手掛けているんで、どこかで作品は見ているんでしょうね。 映画で見たい作品はありますが(^^)
名前がはっきり明かされるのが、猫の銀王号だけ。 なんでこんな名前にしているのかはサラッとしか触れられていませんが、はっきりされていない感じでした。
物語は10年に渡る二人の生活、迷っていた子猫を拾ったことから、初めは里親が決まるまでという事でアパートで買う事にした青年。 彼は漫画家になることを夢見ていました。 そこに、引っ越してきたと同時に現れた銀王号、やんちゃなオスの銀王号は、ちょっと高級志向の餌を好みます。
初めこそ漫画を描く彼の邪魔をしますが、だんだんそういう事はしなくなり、横で彼を見守るようになっていきます。 しかしチラシを見て、欲しいという女性が現れ、貰われていく銀王号。
でも、そこで彼はその女性を追いかけ、必死に謝り取り戻すんですね。 そこから二人の長い生活が始まります。 銀王号目線での語り、坂本真綾が声を担当しています。
今作は、可愛いアメリカンショートヘアーの猫を見るだけでもいいんですが、後年寿命から病気にかかった後との“キミ”の対応が立派なんですね。
もう助からない、そう獣医から宣告された時、安楽死の選択を迫られます。 しかし彼は一部の望みをかけて自分で必死に治療法を探し、むさぼるように専門書を読むんですね。 しかしそれは不可能ということを理解し、あとはしっかり看取っていくんですね。
ここがこの作品の肝で、一番いいところだと思います。 45分と短いんですが、人間のパートナーとしての猫との絆を感じさせる作品でした。

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ある日であった二人

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里親が決まるまで

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そのはずだった

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やんちゃな“ボク”

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10年間いつも見守っていた

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