anttiorbの映画、映像の世界

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星になった少年 Shining Boy and Little Randy

2005年作品、河毛俊作監督、柳楽優弥主演。

「小川動物プロダクション」は、千葉県東金市にて、家族経営により営まれている動物プロダクションである。 敷地内では、ウマ、チンパンジー、ライオンなど、主にマスメディアに登場する動物を飼育している。
しかしなかなか経営難が続いていて、ORN銀行員の二人(相島一之)(永堀剛敏)が催促に来るが、母の小川佐緒里(常盤貴子)は何とか言いくるめて、その日は二人を追い返してしまう。
長男の小川哲夢(柳楽優弥)は学校で、動物臭いと言ってちょっと苛められている。
小川家は、母と祖母の藤沢朝子(倍賞美津子)と母の再婚相手の耕介(高橋克実)、そして兄弟の大家族だった。
ある日妹をポニーに乗せて散歩から帰ってきた哲夢は、母に急き立てられるようにポニーから妹を下す。 そして多くの動物を手放さざるを得なくなっていた。 しかし佐緒里は、ある大きな考えを持っていた。
それは、彼女の長年の夢だったゾウを飼う事だった。 それはこの家族経営のプロダクションにとっては重大なことだった。
しかし、彼女は家族を説き伏せとうとう像のミッキーを連れてくるのだった。 飼育員の岩本(小野武彦)に連れられてきたゾウは、早くも哲夢を調べ始める。
用心深いゾウの習性だった。 しかしミッキーは彼を認め触らせる。 その時、哲夢にはゾウの声が聞こえた。 仲間と話され寂しいことが彼にはわかったのだった。
さっそくミッキーは貸し出され、テレビ出演が叶った。 しかし、今度はCMの話が来た。 こちらには子ゾウでなくてはダメだった。 何とか見つけた子ゾウ・ランディ、でもなかなか仕込むまでには時間がかかりそうだった。 この子ゾウの言葉も聞こえる哲夢だった。
そして彼はある大きな決断をする。 それは、立派な象使いになりたいと思い立ち、両親の反対 を押し切って、単身チェンマイ北部の象学校に留学するという事だった。
もちろん家族は困惑し、佐緒里は猛反対する。 「それは苛められている学校から逃げたいだけじゃないか」 しかしその時姉の紀(於保佐代子)が、猛烈に母を説得するのだった。
とうとう佐緒里は折れ、哲夢の留学が叶うのだった。 でも言葉もなかなか違うタイで、彼は象使いになれるのだろうか?…

この作品も実話という事ですね。 20歳で夭折した坂本哲夢君の生涯を、家族を描いた作品。
物語は、東金で動物プロダクションをやっている小川家のお話。 ここでは動物をアトラクション、イベント、撮影に貸し出しているんですね。 しかし結構な広さにいろんな種類の動物がいるんです。
哲夢君の母・ 佐緒里は希望がありました。 それはゾウを飼うこと。 彼女は経営者でもあるんで、ゾウを飼ってそれで生活を楽にしようという思惑もあったんですね。 家族はみんなあっけにとられ、反対をするんですが、いったん決めたら後に引かない佐緒里に、結局みんな彼女ペースになっていきます。
そしてなんとか連れてきたゾウに、ゾウの言葉が聞こえたのが哲夢君でした。 さらに小象が来た時も。しかし小象はなかなか言う事を聞かない。 そこで彼はタイに行って象使いになるという意思を持つんですね。
高校に進学しても、どうしても成し遂げたい哲夢君は、とうとう母を説得した彼は、単身象使いのタイの学校に留学します。 食べ物も、言葉も、習慣もすべて違う異国で、たった一人でゾウと向き合う。
象使いに馴染ま内臓は森に返され、野性の環境に捨てられるんですね。 そして奮闘する哲夢君、実際に柳楽君の奮闘が作品からも感じます。
映画として客観的に見ると、ちょっと荒い作りで、表現的にたどたどしいんですが、言いたいことは強く伝わってきますし、母に対する強い愛情、そしてなによりも愛情深いゾウの姿はしっかり伝わってきます。
動物は、誕生に対しては、興味や喜びを示すんですが、死に対しては意外と淡白な動物が多いらしいですね。 でも象は違うんですね。 遠くであっても近しいものの死は感じ取れるらしく、そして何より悲しみ、落ち込んでしまうそうです。
ちょっと硬い作りの作品で、柳楽くんもまだ演技的には今一つかもしれませんが、強い原作を味わうには心にしみる作品でした。

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タイに行った哲夢

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たった一人で

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そして象使いとして成長していく

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日本でイベントでゾウと共に

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そしてゾウも増えたが…

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しかし…

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