anttiorbの映画、映像の世界

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星ガ丘ワンダーランド

2016年作品、柳沢翔監督、中村倫也主演。

雪の降るある日、幸せだと思っていた家族4人の暮らしは突然に終わりを告げる。 父・藤二(松重豊)と口論の末に車からひとり降り、来た道とは逆方向に雪道を歩いていく母・爽子(木村佳乃)。 必死で追いかける幼い温人と、弟と母の姿を車から見つめる兄・哲人。 そして母は赤い手袋の片方と「そっちは温人が持ってて。必ず取りに行くから」という言葉を残し、家族の前から去っていった。
20年後、成人した温人(中村倫也)は星ガ丘駅の駅員として働いていた。 小さな少女が、ベルを鳴らした。 彼女が持ってきたのは、年季の入った片方だけのタップシューズだった。
駅には落し物預かり所があり、温人が応対したが、彼は持ってきた遺失物から持っていた人を想像して札にその人物像を書いておくのだった。 奥の棚には持ち主から離れてしまった様々な落し物たちが、再び持ち主の元に帰る日を待っている。
その日は、赤と白の手袋を問い合わせてきた学生がいて、該当の物はあったのだが、少し汚れていたので彼は恥ずかしがって受け取らずに帰ってしまう。
また期限が切れると、遺失物は廃棄されるのだが、捨てられた後にサインペンで絵が描かれたビニール傘を訪ねてきた女がいた。 ちょっとムッとして帰ってしまったのが気になり、温人はゴミ集積所に行き、そこにいた楠仁吾(市原隼人)に無理を言って探させてもらう。 彼は初めは面倒そうだったが、真面目な温人の姿に徹夜で探すのを手伝ってくれる。
そしてある日、スノードームのキーホルダーを温人自身が拾うのだった。 実はそれは母が昔、ワンダーランドで買ってくれたものと一緒だった。
ワンダーランドは老朽化で、つい最近閉鎖が決まった遊園地。 昔は大変賑わった娯楽施設だったが、今は閑散としてメンテナンスをする費用も出なくなって休園が続いていたのだった。
そしてそこで事件が起こる。 温人のもとに母が“星ガ丘ワンダーランド”で死んだという訃報が届くのだった。 そこは幼い頃、温人が家族と一緒に訪れたことのある思い出の遊園地であった。 警察の中尾刑事(嶋田久作)と大林刑事(杏)から、それが自殺だと聞かされた温人は、今の家族が号泣する姿を見て、何も言えず病室に入ることもできなかった。
しかし彼はあることに疑問を持つのだった…

廃墟となった遊園地は、日本各所にありますね。 昔オウム真理教事件のときの、彼らのアジトの横にも大きなテーマパークの廃墟がありましたね。
廃墟本に、結構各所が取り上げられていますが、想い出の場所だったりするところもあり、何かさびしげな場所ですね。
今作は、この町の昔シンボルのようだった遊園地で起こった、“自殺”に対して、それが別れた母であり、その死因に疑問を持った息子のお話です。
母は新しい家庭を持ち、逆に父はもう他界しています。 また兄の哲人は会社を興し、離れて暮らしているんですね。
母の死は本当に自殺なのか? そもそも母は高所恐怖症だったのでは? そこで彼は今の家族に話を聞きたくなりますが。
監督は柳沢翔、映画は初監督ですが、多くのCMを手掛けているんですね。主演は中村倫也、脇役での出演作品は「薔薇色のブー子」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11688515.html 「マエストロ!」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/12683939.html とかありますが主演作品を観るのは初めてです。
幼くして別れた母親、もう一度会いたかった母親との再会は、叶いませんでしたが、せめてもの事は彼女の死因をしっかり検証すること。 それはやっぱり優しかった母の姿でした。 ちょっと最後にホロッとくる作品かもしれません。

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母との別れ

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父はもう追うことはなかった

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その母が自殺したと知らせが、兄と車の中で

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今の家庭の義娘の七海

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刑事の大林は死因に疑問を持つ

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