この事実に人類は国連宇宙軍を組織し、遺跡の名前から「タルシアン」と呼称された異生命体の謎と脅威に対抗しようとしていた。
2046年、中学3年生の長峰美加子(篠原美香)は、国連宇宙軍のロボット「トレーサー」オペレーターの選抜メンバーとなっていた。 翌年にはタルシアンの追跡調査のため4隻の最新鋭戦艦と1000人以上で編成されるリシテア艦隊の一員として、艦隊旗艦「リシテア」に乗艦し、生還の保障のない遠征調査に旅立って行くことになっている。 地球には家族と、ほのかな恋心を抱く友人、寺尾昇(新海誠)を残して。
調査艦隊がタルシアンの痕跡を追って地球から離れてゆくにつれ、ミカコとノボルの距離も光年単位で離れ、2人の携帯電話メールのやりとりにかかる時間も次第に長くなっていく。 いま打っているメールが届くのも1年先なのか、2年先なのか? そのころ彼は自分のことを忘れていないのだろうか?
ついに調査艦隊は、導かれるように地球から8.7光年の距離に位置するシリウスα・β星系第4惑星・アガルタに降り立つ。 そこでミカコは、地球へ届くのに8年もかかるメールをノボルに送信する。 そこに突如タルシアンが出現、攻撃を受けた艦隊は全滅の危機に瀕する。ミカコは艦隊を救うため、タルシアンと対峙する…
新海誠監督は、アニメーション作家で、映画作品も発表しています。 今作は彼の2作目で、デビュー作品は5分弱の「彼女と彼女の猫」となっています。 そちらも鑑賞したんですが、あまりに短いので今作だけに。 今作も、24分の短編になっています。
物語は、ごく普通な感じの高校生の美加子と昇なんですが、美加子はなんと戦闘ロボットに乗り、異生命体と戦いに宇宙に行くというお話。 そのギャップが凄いんですが。 また戦いに選抜されるのが女の子の方という事もちょっと意外?
普通は、戦いだったり、旅だったりするのは男性の方で、女性がひたすら待ち続けるのですが、全くこれをさかさまにし、逆のそれが美加子の切ない心情をうまく描いています。
2002年の発表作で、ほとんど一人で仕上げた作品。 画も、そんなに綺麗ではないんですが、14年ほど前に一人で仕上げ発表したのは驚くべきですね。いま42歳の監督、当時は20代後半で、他の作品もちょっと見たくなる甘酸っぱい作品でした。