anttiorbの映画、映像の世界

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がい骨

1965年作品、フレディ・フランシス監督、ピーター・カッシング主演。

1814年、男は墓を掘り返した。 そこには、ある人物が埋葬されていた。 しかし男はためらいながら、そしてスコップを思い切り振り降ろした。
男は、ピエールと言って骨相学者だった。 すぐに家に帰ると、今付き合っている女が風呂に入って彼の帰りを待っていた。 しかしいつも優しいピエールはその日は彼女を相手にもしないで、浴槽に閉じこもり、何か持ってきた物に薬品をかけていた。
女は浴槽から煙が出ているので不審に思って入ってみると、その中で彼が浴槽につかって死んでいたのだった。
メイトランド教授(ピーター・カッシング)は博学で知られる学者だった。フィリッ プス卿( クリストファー・リー)とは永年の親友で、二人とも魔法、降霊術、妖怪学等に興味を抱き、珍品には金に糸目をつけず買いとった。
この日のオークションでは、フィリップ卿は悪魔の石像4対を、なんと1500ポンドで落としてしまう。 どうしてと聞くと、彼自身にも説明ができなかった。
ある晩、マルコ(パトリック・ワイマーク)という人相の悪い男が、珍らしい書物をもって教授を訪ねてきた。 夫人(ジル・ベネット)や召使は、男の姿が余りに無気味なので、それとなく教授に注意するのだが、教授はそれを遮って書斎に案内した。
マルコのもってきた書物の表紙は、人間の女の皮からできていた。 そして内容はサド侯爵の伝記だった。 たちまちその書物に興味をひかれた教授は家族や周囲の人との交際をたってすっかり書斎にひきこもってしまった。
翌晩、マルコがしゃれこうべを持って再び現れた。 しゃれこうべはサド侯爵のもので異様な光に輝き教授の目に強く焼きついた。 それにしても一千ポンドという値段はあまりに高すぎた。
教授はその旨をマルコに伝えると、 マルコはい ずれ教授自からしゃれこうべを求めにくるだろうと言い捨てて帰っていった・・・

うちの息子は、骨董に興味があり、主に洋物ですが、この手の作品は横でチラ見をしながらぶつぶつ言っているんですよね。 今作は、がい骨(しゃれこうべ)が主役という奇妙なお話。
いや一応主演はピーター・カッシング演じるメイトランド教授なんですが、このがい骨の存在自体が、まあ誰のがい骨だったのかが大きな問題になっているんですね。
冒頭のおどろおどろしいシーン、墓を暴いて頭部を持ち出す、とんでもない行動ですが、そういう欲求を持つ人間はいるんでしょうか?
サド侯爵は、マルキ・ド・サドは本名:ドナスィヤン・アルフォンス・フランソワ・ド・サドといい、異常性格者とされていますし、犯罪を起こし死刑になっています。しかし獄中書かれた著作は、いまだに演劇に、そして映画になっているほどです。
異常性の中にある、芸術性、頭は良かったんでしょうね。
本当に彼のがい骨なのか?しかしこれを手に入れた人間はどんどんおかしくなり、あるものは殺され、あるものは殺人犯になっていくと、もう本物だと確信されますね。
作品中、どうしてもこのがい骨に魅入られてしまった男メイトランドの葛藤、悲劇、そして…
途中幻想か、夢かというシーンで、サド侯爵が出てきますが、なかなか面白いホラーでした。
12月にスター・ウォーズの新作公開ですが、1作目にカッシングが出ているんで、いまこの時に見れたのも因縁かも(^^)

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紹介されたがい骨

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サド侯爵の頭部だった

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そしてがい骨に魅入られていくメイトランド

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間一髪十字架の威力で妻は助かるが…

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