anttiorbの映画、映像の世界

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雪の轍

2014年作品、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督、ハルク・ビルギネル主演。

トルコのカッパドキアに佇むホテル・オセロ。 地形を利用した、遺跡のような作りが珍しいホテルで、海外からも泊まりに来るのだが、そこまで賑わってはいない。
イスタンブールで舞台俳優として活躍したアイドゥン(ハルク・ビルギネル)は、資産家だった父の死をきっかけに引退し、若く美しい妻ニハル(メリサ・ソゼン)と妹ネジラ(デメット・アクバァ)と共にホテルのオーナーとして暮らしていた。 ホテルの他にも店舗や家を持ち、膨大な資産の管理は弁護士や使用人に任せる、人も羨むような裕福な生活。
そんなある日、従業員で運転手のヒダーエット(アイベルク・ペクジャン )が運転していた車に、道端から石が投げ込まれる。 助手席に乗っていたアイドゥン側の窓ガラスが割れ、車は慌てて停止した。
ヒダーエットはすぐに追いかけ犯人の少年を捕まえるが、少年・イリヤス(エミルハン・ドルックトゥタン)は、逃げる途中川に落ちてびしょ濡れになってしまったので、二人は車で家まで送っていった。
しかしその家は、アイドゥンに家賃が払えず、家具を差し押さえられたイスマイル(ネジャット・イシレル)の家で、彼の息子だった。 しかしイスマイルは不遜な態度でアイドゥンに恨み言をぶつけ、謝罪の言葉ではなく、差し押さえられたことに毒づき、自分から家のガラスを割るなど変な態度を取る。
すぐにイスラム教の聖職者であるイスマイルの弟ハムディ(セルハット ・クルッチ)が出てきて、殴り合いになりそうなところを、とりなしたものの、両者は一触即発の状態に。
そして次の日、ハムディはアイドゥンのところに謝りに来るのだが、なにかその態度に納得できず、追い返してしまうのだった…

これがギンレイホールでかかるとは(^^)これは冒頭の30分弱のところですが、3時間を超えるこの作品、会話劇というか、論戦をいろんなところで行っているという印象の作品ですね。
もちろんその中心にいるのが主人公のハルク・ビルギネル演じるアイドゥンなんですね。 そして周りの妻、妹も彼の影響なのか、彼の問いかけ、挑発に反応して行くんですね。
映画作品として、ある程度のところで場面が切り替わるだろうというところですが、この作品はさらに続いて行くんですね。 あとは見ている側に想像させようではなく、始まった討論は決着がつくまでやらせようとしているか如くの撮り方、作り方なんですね。
退屈はしないんですが、物語がなかなか先に進まない、いやこの作品はお話としてではなく、本来隠したり、繕ったりする人間の生き方を、この作品くらいは、もう暴いてしまおう、決着をつけてしまおうとしているがごとくの展開ですね。
でもそれがいったいなんになるのか? もちろん理屈は誰しも持っているので、どちらの言い分もそれなりなんですが、最後は性格的な部分にまで入って行ってしまうところが何とも息苦しく、半ば拷問のように感じるところもありました。
トルコ作品は小難しいのかな? という印象がついてしまいそうになる長作でした(G)

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山間のホテル、独特なつくり

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俳優でいまはオーナーのアイドゥン

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歳の差がある妻・ニハル

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しかし妻は慈善活動にのめり込む

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だんだん孤立して行くアイドゥン

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