2015年作品、牧原亮太郎監督、声の出演:細谷佳正。
人間は死ぬと、21g減る、それが魂の重さと言われている。 ワトソンは、自分の研究で、なんとかその21gが元に戻ってこないのか? それに賭けていた。 そこに、謎の男たちが現れた。
世の中は、技術進歩により死体を蘇らせることに成功していた。 そして意志が無く、考えることをしない屍者は労働力に充てられていた。
ワトソンのところに現れたのは、英国政府の秘密組織ウォルシンガム機関で、墓から友の死体を盗んだ彼に対して、本来なら逮捕されるところだが、彼の技術力を重く見て、その司令官・M(大塚明夫)はある密命を依頼するのだった。 それは、100年前にヴィクター・フランケンシュタイン博士が遺した『ヴィクターの手記』を探すよう密命だった。 その書には、生者同様に意思を持つオリジナルの屍者ザ・ワンを生み出した技術が記されているらしい。
ワトソンは機関に所属するバーナビー大尉(楠大典 )と記録専用屍者フライデー、ロシアから派遣された諜報員クラソートキン(山下大輝)と行動を共にすることになる。 アフガニスタンに入るため、港に着いたワトソンは、早速襲われる。 体に爆弾を仕掛けられた屍者が襲い掛かってくるが、なかなか数が多く応戦してもきりがない。
そして雪山を越えアフガニスタンに向かうのだった…
ノイタミナムービーと言えば、先日観た「心が叫びたがってるんだ。」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/13481938.html もそうみたいですが、フジテレビの深夜枠のアニメ作品ということです。
この伊藤計劃は、ちょっとうちの息子が好きな作者ということと、彼の作品の文庫化した時に、ちょっとお手伝いをした縁もあり、彼の作品を読んだことから、この劇場版アニメを見たくなったんですね。
物語は近代になった19世紀末、屍者の再生技術が世界に広がり、労働力、そして兵士にして生者の思い通りに動かすことが当たり前になった世の中を描いています。 ゾンビにも通じるところがあるんですが、従順な労働力、それを自在に操ることができるなら、そして屍者は本当に生者に戻ることはできないのか?
主人公のワトソン、引っかかる名前ですが、舞台もここから日本、アメリカと、どんどん世界を巡って行くんですね。
原作の強さが活きているアニメ作品でした。