1995年8月8日、『ビッグB』開発に携わったヘリ設計士・湯原(江口洋介)は、妻の篤子(石橋けい)と息子の高彦(田口翔大)を連れて、錦重工業小牧工場に見学に行った。 ここは守衛から厳重な管理が敷かれている。 それは自衛隊からの依頼を受けた機器の建造に関わっていることからでもあった。
同僚の山下の家族も来ていたが、湯原の家族は何かギクシャクしていた。
湯原は、何かいつも足で壁をけっている高彦を思いっきり叱ってしまう。 高彦は山下の息子の恵太と一緒に、外に出てしまい、入ったところはビッグBの格納庫だった。
湯原は、妻と息子と別居しようとしていた。 それを 山下に話していた時、妻が部屋に戻ってきて、高彦が戻っていないかと聞いてきた。 その時、ビッグBが動き始めた。 そしてその中に高彦と恵太が何故か乗っていた。
急いでビッグBを追いかけ、格納庫から二人に飛び降りろと叫ぶ湯原、恵太はなんとか飛び降りたが、高彦は飛び降りそびれてしまう。
ビッグBは遠隔操縦によりハイジャックされたのだった。 犯人から犯行声明が届く。 ビッグBは原子力発電所『新陽』の上空で静止。 『天空の蜂』を名乗る犯人は全ての原発の破棄を要求、さもなくば爆発物を大量に積んだヘリを『新陽』に墜落させると声明を出した。
ヘリの燃料が尽きるまではわずか8時間。 ビッグBの機内には子供が取り残されており、湯原と原子力発電所設計士・三島 (本木雅弘)は子供の救出と日本が消滅しかねないこの恐るべき危機を打開するために奔走する。 しかし政府は原発破棄に難色を示していた。 タイムリミットが迫る中、見えざる敵との攻防が始まる・・・
なかなかいろんな問題をはらんだ作品でした。 原子力発電所にこだわる国政、電気の方が人命より重いという本末転倒の考え方が色濃く描かれていましたね。
現実の世の中は、原発再稼働の方向へどんどん進んでいます。 復興はどこまで進んでいるんでしょうか? 電力会社は、原発再稼働できないなら 電気代をどんどんつり上げていくと、国民、企業に圧力をどんどん書けて行くんですね。
物語は、まずサスペンスなんで、犯人は誰かということから始まり、どうして犯人はこの事件を起こしたのか、そして真犯人、共犯は、という展開になって行き、推理サスペンスとしての面白さはありますが、ここに隠された大きな日本の原子力問題、そして自衛隊の在り方、功績も描かれています。見応えがあるだけでなく、考えさせられる作品ですね。