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第3の選択/米ソ宇宙開発の陰謀~火星移住計画の謎

1977年作品、クリストファー・マイルズ監督、ティム・ブリントン出演。

アングリア・テレビの「サイエンス・リポート」、ティム・ブリントンは司会進行役。
まずはじめに、優秀な科学者がイギリスから他国に出て行ってしまう 「頭脳流出」問題を取材していく取材班は、その調査過程において、出国したまま失踪してしまった人達がいることに気がつく。
中には出国先での近況を伝える写真と手紙を家族宛に送ってきた者もいたが、現地の住所を訪ねるとそんな人物は住んでいなかった。 彼らはいったいどこに消えたのか?
ジョドレルバンク天文台の電波天文学者バランタイン博士が事故死を遂げる。 事故現場に行く取材班だが、原因も、何もわからない。 事故の前日、旧友である新聞編集者に謎のビデオテープを送っていたが、再生してもただのノイズが画面に現れるだけで、何も写ってはいなかった。
しかし取材班のもとに、事故の数週間前にNASAで博士と会っていたという男、ハリーが接触してきた。 すぐに、落ち合う場所を決め、向かう取材班。
しかし彼は見られていることに異様に警戒をしていて、明日の10時半にこの場所に来てほしいと告げ、メモを渡し人ごみに消えていく。
そして次の日、指定された家に向かう取材班、そこをノックすると女性が出てきた。約束があると言うとハリーのところへ案内してくれるが、昨日と形相が変わっていて、明らかに何か薬をやっている風貌になっていた。 そして取りつく島もなく追い出される取材班。
警察に通報してすぐに再訪するが、もうそこには誰もいなかった。
ケンブリッジ大学のカール・ガーシュタイン博士は、かねてより地球温暖化を警告していた。 彼の理論は一笑に付されていたが、度重なる異常気象に、1957年のハンツビルの会議の秘密討論が行 われた。 そこでは、三つの解決策が検討された。第1、第2の選択は論外で、現実的な案は第3の選択(オルターナティブ3)しかなかったという。 その内容について博士は口をつぐんだ。
アポロ計画で月に行った元宇宙飛行士ボブ・グローディンは、衛星中継でのインタビュー中、月で異常な物を見たという噂について、「俺を破滅させる気か? あのバランタインのように 」と口走る。 しかしそこで衛星回線に障害がおこり、通信不能になってしまう。
そして取材班は、直ちに彼のもとへと直行する。 来てくれれば何でも話すという約束を取り付けたからだった。
そこで語られた意外なこととは?…

これは何度見ても良くできていますね。 日本では、唐突にフジテレビの深夜枠で放送されたのが初めでした。 しかしほとんどの人間が見ることはなかったらしく、たまたま見た一部の人間くらいが衝撃を受けた程度だったという事です。
しかしそこにまず、火がついたのは、書籍の発刊でした。 本映像作品と同じ題名のこの本、当時私も読みましたが、意外にこれは読み辛かったんですね。
その後に日本テレビ木曜スペシャル放送後に出た、「『第三の選択』の謎」という、解説本のような矢追氏の著作の方がわかりやすかったですね。
そしてこの「木曜スペシャル」で多くの日本人が見ましたね。
ここで語られている現象は、当時はまだみんな問題を軽く見ていた地球温暖化現象と、再氷河期でした。 氷河期は長いスパンで地球自体の周期的に起きる現象と言われていますが、地球温暖化は、まだ当時耳馴染みのない理論だったと思いますが、ここ20年は急速にそれが叫ばれています。
化学業界にいる人間にとっては、30年前からこの問題と、オゾン破壊の問題は深刻でしたからね。
日本人にとっては、公害問題で苦労した経験があるので、こういう環境面には敏感ですね。 そしてそれも相まって大反響があったんでしょうし、その背景に陰謀論も見え隠れしているという事で、この作品は大きく話題になりました。
このDVDには、30年後の監督、プロデューサー、そして司会進行役のティムの対談が入っており、それが興味深い内容になっています。
しかし徹底して 「これは、作り物だ」 を力説しているんですね。
でも、陰謀論は横に置いておいても、ここで示した現象、データ、理論は結構真実にきわめて近いものですね。 この番組は、本国イギリスでも、オーストラリアでも、再放送は禁止、自粛されたそうです。
また、ここから“モキュメンタリ―” “フェイク”が作られていった先駆け的な番組でもありました。
前回取り上げた 「アポロ18」 の、さきがけの作品でもありますね。

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ティム・ブリントンの司会で始まる

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突然現れたアメリカン人のハリー

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元宇宙飛行士のボブ

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米ソが着陸した月の地点だが

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そして衝撃の映像

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