anttiorbの映画、映像の世界

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ハドソン河のモスコー


ソ連のサーカス団の一員でサックス奏者のウラジミル(ロビン・ウィリアムス)は、生活物資が満足に供給されず、監視の目も厳しい母国で祖父や両親とともに暮らしていた。 抗議のプラカードを持っていた若者たちは、あっさりと警察に捕まり車で連れ去られてしまう。
物資を買うためには毎日長い行列ができていた。 ならばなければ買えない。
実はサーカス団に、ニューヨークへの遠征の話が来た。 みんな遠征に行きたい、自由の国を見て見たい。 ウラジミルは買った靴をお偉いさんに貢いで点数を稼ぐ。お偉いさんとはKGBの事だった。 彼らの管轄下にあり、遠征の注意点を団員に話し、 要するに監視しているということだった。
友人のアナトリ(エリヤ・バスキン)はピエロをしていて、彼に言う 「俺はニューヨークで亡命する」 しかしそんなことを大声で言ったら、シベリア行だ。 ウラジミルは、彼に自重するよう優しく言うのだが。
物資を買うために並ぼうとすると、昔の友人に会った。 彼は教師だったが、今は道路工事の仕事をしていると言う。 アフガニスタン侵攻の講義をしたことで、教師の職を失ったと言うのだった。 本当に自由の無い国だ。 ウラジミルは悲しみを抱えながら家に帰る。
彼にはスベトラナという恋人がいた。 そして今の彼はアナトリの家に厄介になっている。 彼女と会ってアナトリの家に行くウラジミルだった。 2人は結婚しようとしているのだったが、ウラジミルは組織にいることが嫌いで、その迷いがあった。
出発直前に彼はKGBに車に連れ込まれ、祖父の事、彼女とのこと、そしてアナトリのことを言われる。 みんな筒抜けだった。 祖父はよく反体制的な発言をしてしまうのだった。
ニューヨークは見るものすべて、新鮮だった。 アナトリと同室になった、それはKGBから彼を見張るように言われていたからだった。 そしてどこに行くのも彼らに見張られているのだ。
サーカスも終わり、最後のお土産を買うためショッピングセンターに立ち寄ることになった。 アナトリの亡命計画は、サーカスの公演中を狙っていたが、あえなく失敗した。
しかしウラジミルは、一瞬の隙を突き、亡命を行うのであった・・・

この作品は劇場未公開なんですね。 ロビン・ウィリアムス主演のコメディなんですが、なぜ?  時代は、ソ連アフガニスタン侵攻から数年後のお話です。 ソ連国内の物不足は激しく、国民の不満は、国に向けられています。 ベルリンの壁崩壊までまだ数年ある時代ですね。
アメリカ映画ですが、ソ連を痛烈に皮肉っている作品というだけでなく、亡命後の移民たちの生活、市民権を取るまで、いやアメリカに来たは良いが、そこからどうして生きて行ったらいいのか? そこまで触れており、自由が本当に良い世界なのか?アメリカの底辺の本質を表し、差別にも触れています。
ロビン・ウィリアムスはこういう作品は適役ですね。 自由を求めて衝動的に亡命するんですが、アメリカの矛盾も感じ始める時の憤り、熱演でした。
でも一度亡命したら、もう生きて祖国には帰れない。 祖父が死んだと言う知らせが何とか伝わりますが、最愛の祖父を失っても家族に会いに行けない、そこから逆に彼はアメリカで生きてい行く決心を心からし始めます。
笑いと悲しみ、両方表現できるのは彼ならではですね。

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物資を買うための行列

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ソ連は物資が不足していた

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そしてアメリカに公演に行ったとき隙をついて亡命

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自由の国に行き

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恋人もできるのだが…

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