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半径3キロの世界

2012年作品、菊池清嗣監督、飯島幸大、谷村美月、中村久美、広岡由里子高橋努出演。

人工呼吸器を付けられた最愛の母・恵美(森山静香)の顔を触る息子の愛沢一輝(飯島幸大)、それが母との最後の別れになってしまった。
1年後、母の飼っていたミツバチの小屋を引き取り荷に養蜂場から来た舞野優香(谷村美月)は、じっとこちらを見ている少年が気になった。 1年前までミツバチを飼っていたのはその少年の母と聞かされた。
一輝は、母の死をうまく受け入れられずにいたが、ある日学校で掃除の時間、臓器移植をされた人は、ドナーの人の記憶も受け継ぐこともあるという話を聞く。 そんなことがあるのかと、夕食の時父の孝之(高橋努)に聞いてみるが、父はぽつりと「ホラーだな」というだけだった。
そんな時、一輝と父のもとに、母の臓器提供を受けたレシピエントの優香から手紙が届く。 勿論直接ではなく、臓器をアテンドした人を介してだった。臓器を提供したドナーの家族と、提供された人は、日本では会ってはいけないという決まりがあるのだった。 しかしその文面から滲む母の面影に心揺れる一輝は、差出人を探し始めるが…。

これは良い作品ですね。 冒頭、脳死状態の母との最後の別れの瞬間から始まります。 母の恵美はドナー登録をしていたんですね。 でも、まだ小学生の一輝はまだ温かい母の頬を最後に触った時の温かさがどうしても忘れられず、父がもう目を覚まさない母に対して行った決断を、ずっと気にしているんですね。
そして母の心臓を受け継いだ人を、たった一人で必死に探します。
母が飼っていたミツバチをその人も飼っていることが解ったからです。
しかし会ってはいけない二つの家族、でもニアミスを冒頭しているんですね。 いったい一輝と優香は会えるんでしょうか? いや会って良いんでしょうか?
切ない話ですが、どうして蜂を飼う仕事を優香が始めたのかが明かされる時、ホラーではなく、なにかの意志が受け継がれたのでは? そう感じるちょっとファンタジックな作品です。
また題名も、面白いですね。 蜂に詳しい方ならお分かりかもしれませんが、これもなかなかの作品名だと思いました。
センスがある監督だと思います。

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一輝はなんとか優香を探し当てる

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優香は否定しながら一輝を手伝わせる

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