anttiorbの映画、映像の世界

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予告犯

2015年作品、中村義洋監督、生田斗真主演。

新聞紙を被り、ネット動画で話す男、通称“シンブンシ”今回で3回目の動画投稿だった。
彼は制裁を予告し、それを実行する。 今回のターゲットは、石川県にある食品加工会社だった。 そのお詫び会見で、社長が逆切れを起こし、お詫びとは程遠い会見となった。
そして男はそこの工場に現れ、今は操業停止となった工場に火をつけ、制裁を加えるのだった。 たまたま出くわしたテレビカメラは、その火災を実況中継するのだが、その画面の奥に新聞紙をかぶった男が映っていた。
警視庁サイバー犯罪対策課のキャリア捜査官・吉野絵里香(戸田恵梨香)は、課員と一緒にこの画像を見ており、この事件の解決に乗り出していく。
まず第1回目の制裁は、某外食店の元バイト店員。店の調理器でゴキブリを揚げるというメニューをSNSの日記で発表したが、たちまち炎上した。
そして彼はシンブンシにつかまり、揚げたゴキブリを食わされる動画を流された。
第2回目の制裁は、R大学の元学生。 同じ大学に通う学生が性犯罪事件を起こしたことに対し、被害者の女性を侮蔑した内容のつぶやきを残しこれも炎上した。 そして彼もつかまり、眠らされ全裸にされ、被害者の女性が受けたことと同じことをされ、これも動画で流される。 それが原因で彼は就職の内定取り消しを喰らったらしい。
そして動画は、あるネットカフェから流れていることを吉野達は掴むのだった。 しかしそのカフェでは、動画の流れたその時間、そこは空き部屋となっていた。 いったいどこから流している動画なのか?
次第に拡散していく“シンブンシ”そして手口をまね、無差別殺人を起こそうとする少年さえも現れ、どんどん彼らの存在がクローズアップしてきたとき、ある政治家が、ネット規制を報道番組でしゃべり始め、それが生中継で支持を集める。
匿名を失くし、身分照会を義務付ける方向で規制しようとする試みで、言葉巧みに自分の指示を上げようとする政治家の出現だった。
さらに次のターゲットが見つかった。 それは、この政治家・設楽木匡志(小日向文世)だった。 そして“シンブンシ”は彼の抹殺を予告するのだった。
吉野達は早くも残った画像から、複数犯という事を掴み、政治家がターゲットになったことから、警察も本腰を上げ、大掛かりな動員をかけ、公安が乗り出してくる。 そして吉野と同期の北村(田中圭)も対策班に入ってくる…

主犯格のシンブンシは、生田斗真が演じています。 彼の通称ゲイツ、そしてあと3人の仲間がいるんですね。鈴木亮平演じるカンサイ、荒川良々演じるメタボ、そして濱田岳演じるノビタです。
ちょっと見グロテスクな新聞紙から作った頭巾、でも初めからどうも、残忍さが感じられないし繊細なんですよね。 よく言えば優しい、悪く言えば手ぬるい。 そして決して殺人は侵さない。
いよいよ“抹殺”という予告を宣言するところから、警察は殺人予告と判断し、捜査を極端に強化し始めます。
主役の生田斗真は、歌を歌わないジャニーズのタレント、珍しい存在ですね。 デヴューすると一度は歌うもんですが、彼は俳優に特化した活動をしています。 主演作として、「脳男」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/8680567.html 「土竜の唄 潜入捜査官REIJI」 http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11166068.html と俳優活動は順調ですし、演技は好感が持てますね。 ジャニーズ所属タレントは、演技ができる俳優向きのタレントが多く、彼も向いていますね。
また中村監督の作品も、私は結構好きで、前作の「白ゆき姫殺人事件」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/11339416.html もSNSの世界を描いた作品で、私は結構面白かった。
この作品は、切ないですね。 どうして彼らがこんな事件を起こすのか? そこが何とも儚く切ないんです。 世間を騒がせたという事では犯罪者なのかもしれませんし、実はとんでもないことをしでかしてしまってもいるんですが、やりきれなさが漂う作品でした。
戸田恵梨香演じる吉野捜査官が最後叫ぶ台詞は、私も叫びたくなりましたね。 途中なんとか声を上げることができなかったのか? でもできない、そんな社会の作りになっているのが現実なんですね。
この作品で俳優デビューする福山康平くんは、大注目です。 彼をぜひ見てほしいですね。

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俺の名は“シンブンシ”

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吉野は制裁を受けた人物を取り調べる

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政治家の設楽木、制裁ターゲットになる

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新聞紙たちを庇う青山

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青山に話を聞く吉野だが

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