anttiorbの映画、映像の世界

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ザ・マスター

2012年作品、ポール・トーマス・アンダーソン監督、ホアキン・フェニックス、フォリップ・シーモア・ホフマン出演。

第二次世界大戦末期。 海軍勤務のフレディ・クエル(ホアキン・フェニックス)は、ビーチで酒に溺れ憂さ晴らしをしていた。 やがて日本の敗北宣言によって太平洋戦争は終結した。 そして今まで召集されていた兵士たちに、これからはおのおの自由な職場で頑張ってくれと、訓示があり、そして各々精神的ケアの面接が行われる。
船で絵を見せられ連想する物に、全てエロの対象として発想する。 彼は突然泣き出したり、いろんな問題行動を起こすことで知られていた。 しかしそれは彼なりの理由があったと答えるのだが。
着いた職場は、いろんな被写体をデパートで映すカメラマン。 同じ売り場に、自分で試着して客に店宣伝をするモデルに声をかけ、彼女を暗室に連れ込み自前のカクテルで、情事にふける。
ある日、ある中年の肥った男の写真を撮るときに、急に彼はおかしな行動を取りはじめ、取っ組み合いのけんかになってしまい、それきりこの職場を放棄してしまう。
農場でキャベツの収穫をしながら、相変わらずカクテルを作っては、酔い続けるフレディ。 彼の作るカクテルは、結構人気があり受け入れられる。 しかし酔いつぶれた老人がいて、周りの者は毒を飲ませたとフレディに言い寄ってくる。 そこからも彼は逃げ出してしまう。
行くところが無くなった彼はたまたま目についた婚礼パーティの準備をする船に密航、その船で結婚式を司る男と面会する。 その男、“マスター”ことランカスター・ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、フレディのことを咎めるどころか、密航を許し歓迎するという。
フレディはこれまで出会ったことのないタイプのキャラクターに興味を持ち、下船後もマスターのそばを離れず、マスターもまた行き場のないフレディを無条件に受け入れ、彼らの絆は急速に深まっていく・・・

ポール・トーマス・アンダーソン監督作品は、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッドhttp://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/4780185.html を見ていますが、それに比べ、こちらの作品は、ちょっと難解です。
ただ、いろんな顔のできるホアキン・フェニックスの起用が、この作品では、生きているんだと思いました。
対する相手にランカスター・ドッド役で、フィリップ・シーモア・ホフマンが起用されますが、これも演者にとっては難しい役だったんでは?と思わせますね。
どうも、昨年自死したホフマンの最期のころの作品を観ると、難しい内面を抱えた役が多くて、精神的に結構負担が大きかったのでは? なんて思ってしまいます。
実際の年齢よりも老けた役を熟せてしまう彼のキャラが、ここでも重宝され、演じ切っていると思いましたが、それも大きな重圧を感じていたのでは?
この後、宗教家?思想家?というドッドに取り込まれ、のめり込んでいくフレディですが、あらゆる面で支配されていく男の人生が展開されていきます。
新興宗教のように見えるんですが、逮捕されても、強大さが増していく謎の団体、ラストは別れとも、再会ともどちらに転んでいくのか?という映像でした。
ある面、大戦でのPTSDの面が見えないこともないですが、そこまで戦争の過酷なシーンは入ってこないので、それもどちらともいえない感じですね。 感想を書き辛い作品でした。

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行くところを失くしたフレディ

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乗り込んだフレディに目を付けるドット

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ドットについている妻

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フレディもマスターに着き従う

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しかし彼は捕まってしまう

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