2005年作品、ミランダ・ジュライ監督・主演。
リチャード(ジョン・ホークス)は最近離婚したばかり、元妻とお互いの私物を整理している。 その時、リチャードは何か記念に儀式をしようという。
二人の息子のところに行き、話し掛けた時、なにか二人に距離を感じた。 そしてリチャードは、いきなり腕に燃料をかけ火をつけた。
腕から炎が上がる。
クリスティーンは高齢者タクシーの運転手。 ある日、得意客のマイケル(ヘクター・エリアス)と一緒にショッピングモールの靴売り場を訪れた彼女は、店員のリチャードが気になってしまった。
彼は腕に包帯を巻いていた。 マイケルが靴を選んでいる間、腕の心配をするが会話がかみ合わない。
リチャードの息子ロビー(ブランドン・ラトクリフ)とピーター(マイルス・トンプソン)は、チャットで遊んでいるうちに、ある女の人と意気投合。 そしてロビーは相手の女性から今度会いましょうと誘われる。
リチャードの隣家に住むしっかり者の小学生シルヴィー(カーリー・ウェスターマン)は、嫁入り道具をコレクションしている。 ある日コレクションをピーターに見られ、未来の夫と娘のために集めていると語る。
仲良しの二人組のヘザー(ナターシャ・スレイトン)とレベッカ(ナジャラ・タウンゼント)は、二人ともまだBFはいない。 ある日、たまたま知り合ったアンドリュー(ブラッド・ヘンケ)に声をかけてみたところ、好反応が返ってくる。 気を良くした彼女たちが翌日もアンドリューの家に行ってみると、「シャツを脱げ」と張り紙が。
クリスティーンの得意客でもあるマイケルは、70歳にしてようやく人生を共に過ごす愛するパートナーとめぐり合えた。 その愛する人エレンは、チューブにつながれており、そう長くは生きられない。 もう少し時間があれば……
ミランダ・ジュライは作家でもあり、この作品のように監督、演技もします。
クリスティーンと、リチャードのもどかしい関係を描きながら、その周りの人たちも、絡み合った関係が実はあるというお話なんですが、女性監督ならではの可愛さを持っている作品です。
でもちょっと思春期の甘酸っぱさも描かれていますね。 中盤に出てくる二人の少女の意外な行動は、結構えぐいですね。
弟のロビーが、何気なくチャットで会話をしていた女性がなんと、という設定も何か皮肉というかユーモアが溢れています。
淡々とした展開で、大きな事件のあるのは冒頭のシーンくらいですが、実はこれも自暴自棄になったのではないのが後から明かされます。
独特のテンポと世界感を持った作品ですね。