anttiorbの映画、映像の世界

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百日紅~Miss HOKUSAI~

2015年作品、原恵一監督、声の出演:杏、松重豊

活気溢れる江戸の街。 両国橋の夏の昼日向をまっすぐ歩いてくる意志の強そうな女、お栄(杏)は23歳の浮世絵師。 下町の長屋に暮らす絵師の鉄蔵こと葛飾北斎松重豊)は父、そしてもう一人、弟子の池田善次郎(濱田岳)が居候でいる。
今日は、大作の龍の絵を描いていた。 完成間近の時、お栄が、タバコの火を落してしまった。 やる気を失くしたそんな時、善次郎が一人の男を連れてきた。 彼らのもとに鉄蔵のライバル歌川門下で若年ながら頭角を現す国直(高良健吾)が顔を出す。 鉄蔵は二人を連れて出て行ってしまうが、この龍の絵は明日納めなくてはならない。 取りに来た武家の男は、もし間に合わなかったら切腹物だと青くなって帰っていくが、お栄はあきらめずに下絵を描き続ける。
そしてその晩、空に真黒な雲が立ち込め、稲光と共に龍が現れる。 そして次の日、大作の龍の絵と、居眠りをしている鉄蔵とお栄の姿があった。
お栄には、妹がいた。 お猶(清水詩音)というが、生まれつき目が見えない。 そのため琵琶を習わせるために尼寺に預けているのだった。 お栄とお猶の母のこと(美保純)は普段は1人で別の家に住んでいる。 そしてお栄はたまに顔をだし話し相手になったり、一緒に昼ご飯を食べたりしているのだった。
龍の絵を描き上げたお栄は、妹に会いに行き、天気も良かったので散歩に連れて行った。 途中橋に来た二人は、しばらくそこにたたずんでいた。 盲目のお猶は、いろんな音が聞こえるここを気に入っていた。
そこに、魚屋で、鉄蔵に弟子入りをした初五郎(筒井道隆)が通りかかった。 突然口調が変わるお栄、それを敏感に感じ取ったお猶、お栄は初五郎の事が好きだったのだった。
そんな江戸の町で生きている絵師たちだった… 

これは原作・杉浦日向子の漫画で昔彼女の作品を好きで読んでいたので、まさかアニメ作品になるとは、でした。
映画化になるとしたらこれなのかもしれませんが、私は「百物語」が好きでしたね。 映画化にし辛い作品ですが、また機会があれば全作品読み直したい漫画家ですね。 作家としてエッセイも多く残していますが、ちょっと不思議で、ちょっと怖いお話を、時代情緒のエッセンスを入れながら描く独特な手法の漫画作品がやはりいいですね。
早世してしまいましたが、もっといっぱい作品を残してほしかった惜しい方でした。
さて読んでから大分時間が経っていましたが、見るにつれてだんだん原作を思い出しました。 絵は大分違いProduction I.Gの絵ですし、音楽もちょっと現代風ですが、物語としては、やはり懐かしさがこみあげてくる感じでした。
お話は幕末に生きた葛飾北斎を中心としたお栄の物語ですが、盲目の妹お猶の、ちょっと悲しいエピソードも入っていました。
でも原作の作風を残した良い作品でした。

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江戸の町を力強く歩く女

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鉄蔵と善次郎と犬と

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しかし彼女の絵も評価が高い

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善次郎はお栄に“下手善”と呼ばれている

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お栄には妹がいる、お猶というのだが…

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鉄蔵は絵師としては超一流

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