1865年(慶応元年)夏、京都。 「局中法度」 「軍中法度」という厳しい戒律によって鉄の結束を誇る新撰組に、剣の立つふたりの若者が入隊した。 ひとりは下級武士・田代彪蔵(浅野忠信)。 もうひとりは息を飲むような美貌の少年・加納惣三郎(松田龍平)である。
土方は近藤の表情を気にしていた。 近藤に衆道の気はないはずだがと訝しる土方だった。
入隊早々、惣三郎は総長の近藤勇から御法度を破った隊士・武藤誠十郎(田中要次)の処刑を仰せつかり、みごとその大役を勤めてみせるが、副長の土方歳三は近藤の寵愛を受け未だ前髪を切ろうとしないこの若者に、何か釈然としないものを感じていた。
田代は一緒に入隊したよしみで、加納に近づいてきた。 それだけ加納は若く美貌の少年だった。 加納は19歳という。
ある夜田代は加納に夜這いをかけた。 しかし加納は田代に刃を向けそれを拒否したが、加納は女も嫌だという。
しかし加納はなぜ前髪を落とさないのか? 謎の多い若者だった…
大島監督の遺作となったこの作品、キャストが変わっていますね。 ビートたけしは「戦場のメリークリスマス」 での出会いがありましたが、それ以外にも、結構変わった起用をしています。
そして器用にこなす人もいれば、たどたどしい人、セリフが無い人もいます。 監督としてではなく俳優としての崔洋一も、変わったところですね。
大島監督は、これと思った人を一本吊して、結構それで俳優や監督に目覚めてしまう人もいるんでしょうね。
大病から復帰して、もうちょっと撮りたかったんでしょうが、これが最後になったのは寂しいことですが、監督の最期の功績は、この作品で松田龍平を発掘、押し上げたことでしょう。 今の彼の活躍はここから始まったといえるでしょうね。
衆道をここまであからさまに扱い、それをちょっとした時代物の推理劇とも取れる作品に仕上げたのは、さすがですね。
なんとも妖艶な龍平君でした。
入隊をした加納
と田代
夜這いをかける田代に
武藤を処刑する加納
土方は加納の腕を確かめる
しかし加納に言い寄る男は更に現れる