anttiorbの映画、映像の世界

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スモーク

 
オーギー・レン(ハーヴェイ・カイテル)はブルックリンの街角で煙草屋を営んでいる。 常連の奴らが溜まり場にして毎日陀話をしていると、そこに作家のポール・ベンジャミン(ウィリアム・ハート)が入ってきた。 ポールは、数年前に妻を強盗の流れ弾で失って以来、仕事が手につかない。
ポールは、たばこを買って店を出て、ちょっとふらふら歩いていると車にぶつかりそうになった。 それを助けてくれたのは黒人の少年だった。ラシードと名乗る少年(ハロルド・ペリノー・ジュニア)だったが、お礼にレモネードをおごり、よかったら2日くらい泊まりに来いと誘う。
オーギーはキューバ産の煙草を仕入れ、ちょっと儲けようとしている。 ご法度だが、仕入れ値の倍でさばけるのだったが、元金が無い。 
店を閉めようとしていると、そこにポールがやって来た。 締めかけた店だが、彼のためにもう一度店に電気をつけると、彼はカウンターのカメラを見つけた。
忘れ物と思ったが、オーギーのだった。 そしてオーギーはある写真を見せてくれた。
それは膨大な写真だが、みんな同じ場所で撮っている。 そう、彼は毎朝8時、3丁目と7番街の交差点を撮っているのだ。 ポールが、4000枚の写真を流し見していると、オーギーは、ゆっくり見ないとダメだという。
言われた通りにゆっくり見ていると、なんとそこには、無くなったポールの妻のエレンが写っていた。 何枚か写っているとオーギーは言う。 出勤する途中の写真だった。 涙が溢れてくるポール だった。
ラシードがポールを訪ねてきた。 泊まりに来たと言うので、ポールは歓迎するが、いきなり来たのにちょっとポールは驚くのだ。 そして2晩泊まってポールは彼に家に帰るように言う。 しかしラシードは本棚に何か隠して出て行った。
翌日、ある中年女性が荒々しく訪ねてきた。 ラシードの叔母という女は、今まで彼を親代わりに面倒を見て来たと言い、彼の本名はトーマスで、行方不明で心配しているという。 そのトーマスは子供の頃母を亡くして、父は蒸発していた。 しかし生き別れになった父サイラス(フォレスト・ウィテカー)の姿を見たと言ってから彼がいなくなったというのだった。
そしてラシードは、ポールの名を語り父のいるスタンドに行くのだった…
 
どこがクリスマス映画なのか? そんな感じで物語を追っていても、なかなかそんな兆しは出てきません。 でも、中年の男3人と、偽名を語りながら、父に近づく少年の話は、何か引き込まれますね。
パートごとに分かれていて、メーンのキャラの題名がついていますが、途中からはクライマックスに向かってキャラが融合していきます。
ポールはまた仕事ができるのか? オーギーはどうして毎日同じ場所の写真を撮っているのか? 蒸発したサイラスの姿は? そしてトーマスは何がしたいのか?
クリスマスの話はラストまで見ると明かされます。 そしてエンドロールがその映像となっていますので、そこはしっかりと観てほしいところですね。
渋い俳優たちの競演ですが、皆何かを引きずって生きている、そんな人間模様を、描いた作品自体も渋く味わいのある作品でした。 一人で酒を飲みながらクリスマスを過ごすにはいい作品です。
 
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オーギーの店に来る常連たち、その中にポールがいる
 
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ポールは写真を見せられる、そこになんと
 
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トーマスはひっそりと父に近づく
 
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オーギーのもとにも別れた女が訪ねてくる
 
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ポールとオーギーはトーマスのために一肌脱ぐ
 
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万引きがよくあるが、それがドラマを生む
 
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