2009年作品、古波津陽監督、片岡愛之助主演。
城の模型を眺め悦にいる愛知工業大学教授で建築史の岩手晴彦(津村鷹志)。 棟梁の井原勘助(阿藤快)が溜まらず声をかける。 城跡の発掘作業で皆作業をしている。 愛知県の田舎町・猿投(さなげ)では、立派な石垣の残る戦国遺跡、猿投城址公園を巡って地域活性化を目指して岩手教授がリーダーとなった 「城の復元を目指す住民たち」 の会があった。
町役場で、うだつの上がらない男・猿投町役場職員の石崎祐一(片岡愛之助)、仕事でも失敗ばかりしている。
都市部の名古屋城では、この週末戦国祭りで、武者行列をしている。 それに比べればここ猿投町は長閑なものだが。
愛知工業大学の学生・井原ナツキ(海老瀬はな)は発掘現場に向かう。 彼女は棟梁の娘だった。 この発掘作業の手伝いをするために来たのだが、彼女は建築士を目指していた。 勘助は彼女に後を継いでもらいたいと思っているが、つい怒ってしまう。
しかしすべては町長の決断にかかっているが、形勢は岩手教授側が不利だった。
その夜、住民が主導する遺跡の発掘現場に事件が起こった。 ホームレスのゴン(木津誠之)を、どかせようとして彼が穴に落ちてしまった。 それを追って勘助たちも穴に落ちてしまった。 しかしその後忽然と3人が消えてしまった。
次の日突然、3人の住民の肉体に憑依した戦国武将の霊が現れて、戦国時代の猿投の領主であったと主張する恩大寺隼人将は住民たちに築城を命じる。
憑依したのは本当に過去の武将なのだろうか。 町長の視察はぶち壊されてしまった。 いったい城はできるのか? それとも工場ができるのか?…
愛知工業大学全面協力のもとにできた映画です。
上映館は少ないですが、一応全国規模でも公開でした。 わが埼玉県は1館だったそうです。
片岡愛之助は、意外に映画に出ているんですね。 これは基本現代劇なんですが、憑依したのが武将なので、そこは彼の見せ場ですね。 見栄を切るのが本職なので、憑依した後の演技がなかなかはまっているのです。
彼は築城をする大号令を掛けます。 しかし憑依したのは3人だけ、一応、現代ということはうすうすわかっているようです。 しかしひたすら築城を目指す姿に、周りが引っ張られていくんですね。 じゃあどうやって城を作るのか?
その辺りが大学の全面協力の、真価が発揮されます。 結構いい城ができるんですね。
ヒロイン役に海老瀬ハナ、「武士の献立」http://blogs.yahoo.co.jp/atts1964/10783288.html に出ていますが、確かにちょっと見たような…
荒唐無稽の憑依もの、SFと言える作品ですが、現代にいかに安価で、結構丈夫な城を作る工夫などが見て取れる、変わった作品でした。
憑依された棟梁、そして娘
恩大寺が憑依した石崎
城作りが始まる
そして
こんな城が・・・
婚礼の祝いの舞