anttiorbの映画、映像の世界

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ふしぎな岬の物語

2014年作品、成島出監督、吉永小百合主演。
 
海の向こうに富士山を望むのどかな里。 花畑や学校、病院、教会が点在する中、岬の突端に里の住人たちが集う“岬カフェ”がある。
朝、店主の柏木悦子(吉永小百合)は店の前の机に人影を見る。 絵を描いている男の人影だ。
彼女は新鮮な水を汲みに舟をこぎ、小島に行く。 彼女の入れるコーヒーをみんなが飲みに来るのだ。 漁師や農家、医師、牧師、警官、皆彼女の入れたコーヒーを飲むと元気になっていく。
何でも屋を営む浩司(阿部寛)は甥で、彼女を手伝い小島で共に毎朝石清水を汲んでくる。 45歳の浩司は、思い込みが激しくたびたび問題を起こすこともあるが、カフェの隣の掘っ立て小屋に住み、悦子を献身的に見守ってきた。そしてそんな二人を見守ってきた一人が、不動産屋のタニさん(笑福亭鶴瓶)だ。 浩司もタニさんを信頼しているが、浩司はちょっとした思い込みも言う。 しかしそんな浩司の話を信じ、優しく接してくれる。
“岬カフェ”の常連客で漁師の徳さん(笹野高史)は漁を終わって魚を卸すと必ずここでコーヒーを飲みに来る。そんなお客でこの店は成り立っているのだった。
ある日、親子連れが入ってきた。 父・大沢(井浦新)と娘の希美(采沢真美)は入るそうそう一枚の絵に見入っていた。 その絵は、虹が書かれている絵で、その絵は悦子の夫が最後に書いた絵だった。 夫は画家で、早くに亡くなっていた。 希美は虹がこっちにあるといい、このカフェに来たと言うのだ。 ちょっと不思議な能力があるみたいだった。
カフェの前のテーブルに座っている希美に悦子は近づき君に魔法を教えるのだった。 大切な人を抱きしめて「だいじょうぶ」というと温かくなるという魔法だ。 さっそく希美は父親に抱きつくのだった。 そして「だいじょうぶ」と言い「もうお母さんがいなくても寂しくないよね」と言うのだった。 一か月前に妻を亡くして寂しがっている父のことを小さいながら心配をしていたのだった。
そんな人が集まってくる不思議なカフェがここだ…
 
この作品は、吉永小百合がプロヂューサーも兼ねている珍しい作品ですね。そして久しぶりに可愛く魅力的な彼女の姿を新作で見れた気がします。
編集作業を監督の成島出としたそうですが、いろんな人たちのドラマをつなぎ合わせた感じの作風ですが、その一つ一つが、心温まる身にストーリーみたいな感じでした。 この親子の物語で早くもウルッときました。
この作品は予告編の出来が私はどうかなと思っていました。 最近予告編ですべてを見せたり、過剰な作りで、逆にそれに騙されてしまったり、そこまでやらなくてもと思うんですが、この作品は逆に予告編の出来が今一つで、本編に深みがあり、物語もしっかりしていたように思えます。
この作品に描かれていることでもありますが、“永遠なんてないことはわかっていても”というのはその通りですね。 人間というのはそういうもんでしょう。 でも時は流れて行きますし、人間も周りも変化していきます。しかし中には変わってほしくない物、人の心の温かさなんて不変であってほしいと感じる物語ですね。
 
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朝、店の前の机に座る悦子
 
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タニさんはもう30年ここに通っている
 
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ここに突然来た娘に“魔法”を教える
 
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徳さんの娘・みどりが帰ってきた
 
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みどりは幼いころから浩司を兄代わりにしていた
 
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