anttiorbの映画、映像の世界

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チョコレートドーナツ

2012年作品、トラヴィス・ファイン監督、アラン・カミング主演。
 
ショーダンサーとして働いているルディ(アラン・カミング)の店に、ある男が来店した。 ポール(ギャレット・ディラハント)という彼は、ステージが終わった後、ルディの楽屋に訪ねてきた。 二人はもう惹かれあっていた。
ポールの車で、事が終わった彼らに警官が訝しげに話しかけてきた。 動揺するポールだったが、ルディは怯まず言い返したとき、警官はかっとなって拳銃で威嚇してきた。 しかしポールは検察官だと言い切り警官を追い払った。 ポールはつい最近離婚をしたが、自分がゲイだということを今まで隠してきた。 しかしルディを見て、一歩踏み出したのだった。
ルディはアパーとに帰ると、隣から大音響が聞こえてきた。 廊下に人形が落ちていた。 それは隣の一人息子の物だった。 それを拾って隣りのドアをたたき、母親のマリアンナ(ジェイミー・アン・オールマン)に文句を言うが、却ってゲイのことを罵られる。
息子の・マルコ(アイザック・レイヴァ)はダウン症だ。 ある夜、マルコの母親は大音量の音楽をかけたまま男といなくなってしまう。 翌朝、ルディが騒音を注意しに隣に乗り込むと、小さくうずくまって母親の帰りを待つマルコがいた。 とりあえず自分の部屋に連れてくるルディは、ポールのことを思い出した。 そして彼に電話を掛けると、ポールは電話に出なかった。
手の平を返したような態度に怒ってルディはマルコを連れて、彼のオフィスに乗り込んだ。 ゲイである自分の姿を隠すことをしないルディに対して、ポールはあからさまに迷惑な態度を取る。 しかしそんなポールの態度に激しい怒りをぶつけ、マルコのことでアドバイスを受けたいだけというルディだった。
ポールは家庭局に連絡してマルコを施設に預けろと言い捨てる。 その姿に失望したルディがアパートに戻ると、マルコの母親は薬物所持で逮捕され、マルコはお気に入りの人形アシュリーを抱いたまま、強制的に施設に連れて行かれる。
ルディはとりあえず落ち着くところへ落ち着いたといったんは判断した。
その夜ポールは再びルディの店に行き、昼間の態度を謝り、今までの自分のことを話すのだった。 そしてルディは歌を歌って自分の心情を歌い上げた。 素晴らしい歌声だった。 
仲直りをしてポールの車に乗って帰る途中、人形を抱いてひとり歩いているマルコを見つけるルディだった。 物凄く悲しい後姿を見て、ルディは密かにあることを決意するのだった…
 
公開からもう数か月た っていますが、いまだに各所で公開しています。 なかなか劇場が合わず、やっと今回見ることができました。 いろんな映画紹介番組、雑誌、そして映画評論家、ファンなどがいろんなところで語っています。 高評価も多い作品ですが、確かにその通り素晴らしい作品でした。
主役のアラン・カミングは 「スパイキッズ」 シリーズでの印象が強いですが、本人はバイセクシャルと言っているようですね。 ゲイの演技は上手く、自然でした。
ラストシーンは正直感動というより、怒りが大きかったですね。 確かに日本以上にゲイが認知されているアメリカでも、この物語の時代の1979年は激しい偏見があったことがうかがえます。
判事、検事局、そしてドラッグ中毒のマルコの母親でさえ、ゲイを蔑みます。 始めはウディの、マルコに対する同情から始まるのですが、マルコの純粋さ、そしてマルコが泣くシーンがありますが、そこでルディはマルコを一生面倒みる決心をするんですね。 その姿にポールも引っ張られていきます。 そしてポールもどんどんルディに惹かれ、ルディと同じようにマルコを愛しい存在にしていくんですね。
理解してくれる数少ない人物に二人が連れて行った特殊学級の先生がいました。 彼女だけは二人のことをマルコの両親といい、マルコに対する愛情の本質を理解していましたね。
しかしそれ以外の多くの者たちは、ゲイであることに対する偏見、極度の差別で凝り固まり、マルコのことを一切考慮しません。 ゲイであるだけで純粋な二人よりもドラッグ漬けの母親をチョイスする輩に私は強い憤りを持ってこの作品を観終わりました。 なんとしてももう1回3人を引き会わせたかった。 やりきれないエンディングでしたね。
最後のルディの歌は心にしみましたね。 これはサントラ盤が欲しくなる、心に染み入るアランの歌声でした。
 
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「好きな食べ物は?」「チョコレートドーナツ」そう言うマルコ
 
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ルディとポールは彼に部屋を与える、泣いて喜ぶマルコ
 
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3人で行うハロウィンパーティー
 
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しかしマルコは連れ去られてしまう
 
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そしてマルコを取り戻す裁判に臨む二人
 
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ルディはチャンスを掴もうとしていた
 
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