anttiorbの映画、映像の世界

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偽りなき者

2012年作品、トマス・ヴィンターベア監督、マッツ・ミケルセン主演。
 
妻と別れ、息子と離れ離れに暮らすことになったルーカス(マッツ・ミケルセン)は、ようやく穏やかな日常を取り戻した。 息子と会えるのは、2週間に1回、でも幼稚園での再就職口が決まったのだ。
ルーカスは子供たちに好かれていた。 この幼稚園には男の職員がほかにはいない、特に男の子達は、目一杯受け止めてくれるルーカスに、はじめからまとわりつくのだった。
ここで生まれ育ったルーカスは、親友のテオ( トマス・ボー・ラーセン)をはじめとして、気を許せる仲間に囲まれていた。 妻は去ったが、息子さえ戻ってくれれば、以前の生活を取り戻せる。 彼は幼稚園の仕事に真剣に取り組むのだった。
テオの娘クララ(アニカ・ヴィタコプ)は、物静かで、ちょっとませた女の子だった。 年の離れた兄がいるが、テオと彼の妻のアグネス(アンヌ・ルイーセ・ハシング)が夫婦喧嘩をしているときは、寂しく外に出ている。 クララはルーカスの家にいる犬が好きだった。
ある日、幼稚園にどちらが連れて行くかで喧嘩しているテオ夫婦の代わりにルーカスがクララを連れて行った。幼稚園に着くと、クララは楽しそうにルーカスと男の子達が遊んでいる姿に引かれ、ルーカスにまとわりついてきた。 そしてなにげに口にキスをした。
ルーカスはクララに優しく、「口にキスをしてはいけないよ」 と諭すのだったが、クララはその日両親の喧嘩を見、さらに兄の友達に変な画像を見せられ、ちょっと精神的に動揺していた。
幼稚園の園長のグレテ(スーセ・ウォルド)がもうみんな園児が帰ったと思っていると、ひとりまだお迎えがないクララがいた。 そしてクララの口から衝撃的な話を聞いた。
“ルーカスに○○○を見せられた。そして立っていた” 耳を疑うグレテ、「ルーカスは嫌い」 そこにアグネスが迎えに来た。 そしてグレテは、この件を調べることにした。
ルーカスは同じ幼稚園で働いているナディア(アレクサンドラ・ラパポート)と気があった。 その日仲間で飲んでいると、ナディアから誘いの電話があり、自分の家に呼んだ。 さらに別れた妻から電話が入り、息子と暮らすことを了承したとの知らせが入った。
人生を取り戻せる予感がして、ルーカスの心は暖かくなった。
しかし次の日、幼稚園に行くとルーカスはグレテに呼ばれ、衝撃的な話をされる。 身に覚えのない、幼児に対する性的虐待、すぐに自宅待機を言われるルーカス、そして息子からも連絡が入り、同居を禁止されたという連絡が入った・・・
 
やるせない作品ですね。 マッツ・ミケルセンは風貌から怖い役もできるのですが、この作品では、無実の罪を背負わされる、悲劇の人を演じています。
狭い産まれ育ったふるさとの街、こういう噂は致命的ですね。 今まで仲の良かった知人たちが一斉に態度を変えます。 そしてよりによって大親友の娘が放った何気ない言葉、そして親友も苦悶の表情をして彼を拒絶します。
同棲を始めたGFも不安げな表情を見せたところから、彼女も家から追い出してしまうルーカス。 しかしルーカスの無実を信じるのは、母親のところを抜け出してきた息子マルクス( ラセ・フォーゲルストラム)と、その名付け親をした友のブルーン(ラース・ランゼ)だけでした。
なかなか憤てしまう作品でした。 “子供は嘘をつかない” “うちの子は嘘をついたことはない”
初めにクララに質問をしたカウンセラーらしき男、コイツはムカつきますね。 ほとんど決め付けており、話を誘導するだけでした。 それを盲信するグレテ。
涙が出るくらい悲しくやるせない話ですね。 ラストのあたりも?という展開でしたが、その答えもエンディングにありました。 私なら悔しいけれど復讐するか、ここを出ていきますね。 あまりにも善人のルーカスに同情を禁じえない物語でした。(G)
 
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衝撃の発言をした幼いクララ、グレテは彼女から聞き取りを始める
 
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クララの両親、親友の夫婦だった
 
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父の無実を信じるマルクス、しかし度を越えた嫌がらせがとうとう
 
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この頃から、クララは真実を言い始めていたのだが・・
 
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そしてクリスマスイブの夜、教会に乗り込み親友に迫るルーカス
 
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