anttiorbの映画、映像の世界

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幸福のスイッチ

2006年作品、安田真奈監督、上野樹里主演。
 
田舎の電器屋の次女の稲田怜(上野樹里)のストレス解消は、もう電気の付かない電球を割ることだった。 しかし今日という今日はそんな事では解消できなかった。 母が亡くなった、この怒りをどうすることもできなかった。 原因は父だ。 彼女はそう心から思っていたのだった。
怜は東京のデザイン会社の新人イラストレーターになるのだった、ここから離れたい一心で。  3年がたっているが、彼女は仕事が遅い、というよりこだわってしまうのだった。 
隙間を埋めるためのデザインだが、凝りすぎてしまう彼女なのだ。 最近何かイライラしている彼女は彼氏にも当たってしまうのだ。 今の会社を辞め別の就職口を見つけようとする怜、そんな時、高校生の妹・香(中村静香)から手紙と新幹線のチケットが届く。
姉の瞳(本上まなみ)が、絶対安静で入院したと書かれていたのだった。  急いで駆けつける怜だが、お腹の大きい姉は元気そうだった。  唖然とする怜だが、実は父・誠一郎(沢田研二)が骨折して入院しているのだった。
さすがに仕事ができないので妹がSOSを送ったのだった。 怜に店を手伝ってほしいと姉からもお願いされ、またちょうど会社も辞めようと思っていたこともあって、怜は少し手伝うことにする。 しかし父の手伝いということが嫌な怜だった。
怜は母が死んだのは仕事ばっかりで、父がいなかったせいだと思っている。 父は怜に言わせると外面の天才らしい。 
ただ売って終りというやり方で、町の電気屋では、大型店の安売りには勝てない。 だから、アフターフォローをしまくる誠一郎だった。 父が退院するまでということで引き受けた店だったが、協力的な姉と妹が知らない事実を知っている怜なのだったが…
 
最近町の電気屋さんで電化製品を買うでしょうか? もうさすがに電気屋さん自体少なくなっています。 私の地元でも、1件あるくらいですね。 
家電量販店は車でいけるところには4,5件あるんで、まず値段だけで、そこそこ使ったら買い替える、そんなもったいない消費をしているのは自分だけでしょうか?
沢田研二扮する電気屋のオヤジは、そんな町の電気屋を必死にやっている、今では希少価値のおっさんでした。
ほとんどが入院中で病院のベッドにいるのですが、携帯からかかってくる声は何時も怜を怒っています。 そんなやる気無しの怜ですが、実は父がいかに町の住人から信頼されているかが、だんだんわかるにつれ、父に対する心の氷が解けていくんですね。
でも決定的なところが引っ掛かっていて、それがネックになっています。 過疎化が進んでいて、いろんな店が小さな町から消えていく昨今、何かそれに必死に抵抗する一店の電気屋、何気に見ていてもちょっと応援してしまう話でした。
遠くの家族よりお客の家の状況に詳しい父、場所を移動するだけでも電気屋を頼るおばあちゃん、でもそんなことをしてあげることがいかに大事か、そのおばあちゃん役に新屋英子が起用されていますが、いい味のおばあちゃんですね。 
何か忘れていた物を思い出させるような作品でした。 愛想のない役の上野樹里ははまり役ですね(^^)


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母が死んだ、しかし怜は何か怒っている

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呼び戻された怜

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父が骨折したからだった

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外面のいい父、そんな父が嫌いな怜だったが

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仕方なく3姉妹で切り盛りすることに

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