anttiorbの映画、映像の世界

不定期で、旅ブログも立ち上げます!

男はつらいよ 寅次郎忘れな草

1973年作品、山田洋次監督、渥美清浅丘ルリ子倍賞千恵子出演。
 
夢から覚めた寅次郎、外は雨、軒下を借りていた廃屋から故郷葛飾を目指す。 久しぶりに帰ってくると、“とらや”に、おいちゃん(松村達雄)、おばちゃん(三崎千恵子)、さくら(倍賞千恵子)、博(前田吟)が集って御前様にお経をあげてもらっている。
店番は源公(佐藤蛾次郎)がやっている。 事情がわからない寅は、てっきり誰か死んだのかと思って大騒ぎする。 自分の父の法事と聞いてホッとするとともに、せっかくの法事をぶち壊してしまう。 
別の日、さくらが、満男(中村はやと)にピアノを買ってやりたいと言うのを聞いた寅は、早速、おもちゃのピアノを買って来て、得意満面。 一同、欲しいのは本物のピアノだ、とも言えず、そこにやって来たタコ社長(太宰久雄)がおもちゃのピアノを笑ったことから、さくらたちの本当の気持ちが分かり、不機嫌になり、皆に悪態をついて、プイッと家を出てしまった。
北海道。 夜行列車の中で、派手で何処となく安手の服を着ている女が、走り去る外の暗闇を見ながら涙を流している。 じっと彼女を瞶める寅。 網走。 ヒョンなことから寅は列車の時の女と知り合った。 
名はリリー(浅丘ルリ子)といって、地方のキャバレーを廻って歌っている、三流歌手である。 互いに共通する身の上話をしながら、いつしか二人の心は溶け合うのだった。
柴又のさくらに、北海道の玉木(織本順吉)という農家から手紙が届いた。 寅が心機一転して、玉木の家で働いたものの日射病と馴れない労働で倒れてしまった、というのである。 早速さくらは、北海道へ行き、寅を連れて柴又に帰って来た。
そこでも苦労の話をしていたが、例のごとく喧嘩をして飛び出そうとしたとき、リリーが尋ねて来た。  抱き合って再会を喜ぶ寅とリリー。  そして、皆に心のこもったもてなしを受けたリリーは、自分が知らない家庭の味に触れ、胸が熱くなるのだった……
 
さて今回はマドンナ最多出演のリリー、浅丘ルリ子さんの1回目の作品です。 40年前の夏の作品で、ちょっと季節感が違いますが、マドンナ・リリーの出会いの作品なので、やっぱりリリーの1回目でしょう。
この作品も、寅次郎はふられてはいないんですね。 酔った勢いで、寅に暴言を吐いてしまったリリー。 そしてそのまま住んでいたアパートを引き払い、行方がわからなくなるんですね。 寅はすぐに訪ねるんですが、タッチの差でリリーはいません。 そんな紙一重感があるリリーとの1回目に淡い恋でしたね。
リリーの回は、基本リリー側からの猛烈なアタックなんですよね。 それをドンと受け止められない寅次郎。 そこがもどかしいんですが、まただからこそこのシリーズが続いていくんですね。
最後傷心して、上野駅でさくらとに二人のシーン、ここは泣けますね。 何かわからないけど泣けるんです。 
泣き笑いをしてしまうこのシリーズですが、兄妹愛が満ち溢れてそれが物悲しいシーンです。 無邪気で、真っ直ぐな寅ですが、またそこが魅力が満載の回でした。


イメージ 1
北の地で出会った二人

イメージ 2
お互い似た者同士、心が通い合う

イメージ 3
浅草での啖呵売

イメージ 4
戻ったのは良いが、また喧嘩をして出ようとしたその時

イメージ 5
リリーが現れた

イメージ 6