anttiorbの映画、映像の世界

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武士の献立

2013年作品、朝原雄三監督、上戸彩主演。 
 
加賀藩六代藩主・前田吉徳の側室・お貞の方(夏川結衣)に仕えているまだ幼き少女・春。 彼女は家族を亡くし、お貞の身の回りの世話をしている。 この年ですこぶる料理が上手いのであった。
数年後、優れた味覚と料理の腕を持つが、気の強さが仇となり1年で離縁された春(上戸彩)は、またお貞の方のところへ戻ってきていた。
ある日、能の宴の時の余興で、大槻伝蔵(緒形直人)が藩主・前田吉徳猪野学)のところへ連れて来たのが、料理方である舟木伝内(西田敏行)だった。 
伝内の作った料理が何か当てるということで、吉徳は当てた物に褒美を出そうということになった。 いろんな答えが出たが誰ひとり当てられない中、春だけが料理の材料、味付けを正確に当てたのだった。 
驚く伝内、そして彼は息子の嫁にと、春を迎えたいとお貞の方にお願いをするのであった。 しかし一回嫁に行って出戻った身である春は、武家の家などとんでもないといい断りを入れてもらうよう、お貞の方に頼むのだった。
春が料理の支度をしていると、舟木伝内が顔を出した。 もう断られたことを承知の上で、ある食材の事を訪ねに来たのであった。 
またしても的確に答える春。 伝内は地べたに手をついて春にもう一度息子の嫁になってくれるよう懇願する。 根負けした春は、伝内の申し出を受けるのだった。 
伝内にはもう一人息子がいたのだった。 家を継ぐはずだった長男は、はやり病で急逝してしまったのだった。 春が嫁に行くのは次男の安信(高良健吾)、歳も春が4つも上だった。 
そして伝内は春に言うのだった、 「跡取りの安信を舟木家の跡取りとして立派な包丁侍にするため力を貸してほしい」 そして春は加賀百万石の舟木家に向かうのであった…
 
武士の時代には、武士であってもいろんなお役目があるんですね。 いわゆる男の世界、城にいる女性は、殿さまの奥方と側室、そしてその方々に仕える者だけということであるからですね。 
料理も男だけの調理で進んでいくのですが、そのあたりがなかなか勉強になりますね。 以前、「武士の一分」 でお毒見役専門の武士が描かれていましたが、これもまた一つのお役目ですね。
包丁侍という言い方は、ちょっとした通称なんでしょうが、少しの軽蔑とプライドが入り混じった言い方ですね。 でも今の世に置き換えてみると、料理を作るってことは大変すばらしい事ではないでしょうか。 
ただ武士の身でありながらの料理番が、この物語の主人公・安信にはなかなか納得がいかないようです。 でもそれも無理からぬ理由があったんですけど。
立派な料理を作る、父の後目を継ぐだけかと思ってみましたが、なかなかどうして“加賀騒動”も絡んできて、結構スリルある物語となっていました。 
其れでも煮え切らない安信の心が最後やっと真っ直ぐになるところは結構心に響く展開でした。 年末に清々しい作品でした。


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一度は断られたが、サイドアタックしに来る伝内



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そして加賀の舟木家に嫁いだ春


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早速夫と包丁勝負


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加賀百万石ならではの調理場



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包丁侍になるのか?


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そしていよいよ・・・


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