anttiorbの映画、映像の世界

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小さな命が呼ぶとき

2010年作品、トム・ボーン監督、ブレンダン・フレイザーハリソン・フォード出演。
 
風船を持って会社に来た男・ジョン・クラウリー(ブレンダン・フレイザー)、彼は5人家族、妻アイリーン(ケリー・ラッセル)との間に、ジョン・クラウリー・Jr(サム・H・ホール)、8歳の娘メーガン(メレディス・ドローガー)と6歳の息子パトリック(ディエゴ・ベラスケス)。 
今日はメーガンの誕生日、向かった先は、ボウリング場。 電車に乗り遅れタクシーで必死に向かうジョン。 ギリギリ間に合った、喜ぶメーガン。 実は、メーガンとパトリックは、難病“ポンペ病”におかされている。 でもメーガンは電動車椅子で活発に遊ぶ少女だった。 ヘルパーは毎日来てくれるのだが、毎日違う人が来る。  
ポンペ病とは、生まれつき体内のグリコーゲンをうまく分解できないために発症する病気である。 平均寿命9年と言われ、治療薬はなかった。 しかし、彼はネットで、ポンペ病の権威であるロバート・ストーンヒル博士(ハリソン・フォード)の研究に唯一の希望を見出す。 
電話で連絡してみるが、ちょっと変わった男のストーンヒルは、なかなか厄介な男だった。 うまく話ができないでいらつくジョンだった。
ある日、メーガンの様態が悪化した。 すぐに入院したとアイリーンから連絡があった。 すぐに病院に駆けつけるジョンだが、予断を許さない状態だった。 筋肉の機能が落ちていくと、呼吸する力も衰えてしまうのだ。 ただ見つめることしかできないジョンとアイリーン。 危篤状態になり、泣きながら医師を呼ぶジョンとアイリーン。
メーガンは奇跡的に持ち直した。 しかしメーガンに残された時間はあと1年。 そしてパトリックはメーガンより体力がなかった。 仕事も手につかなくなるジョン。 そしてジョンは意を決してストーンヒル博士に会いに行く決断をする。 もう博士しか頼る人がいないからだったのだが・・・
 
実際この映画は実話なんですね。 ある患者の父親の必死さが作品になっています。 ジョンはエリート・ビジネスマンですが、一人の学者の研究を資金的に援助して、立ち上げ、そして治療まで持っていくのは、いろんな面で想像を超えていました。 理論的に方向性が合っていても、それを支えるのはちゃんとした資金力のある企業が行わなければ無理なんですね。 
もちろんジョンは、まずはじめに基金を立ち上げ、世に訴えてお金を集めるのですが、それだけでは到底無理です。 そして途中からだんだん企業論理に染まっていくところは、見ていて辛いですね。 
患者の父と、それを開発する側が同じというのは、時間との戦いもありますが、命の秒読みと隣り合わせという大変辛いことですね。 でもこの作品で一番泣けたところは、ただひとり病気になっていない長男のジョンが、お気に入りのスケボーを売って、父に妹のために使って欲しいという場面でした。 
わずかなお金ですが、しっかり妹のことを考えている長男。 サラっと描かれているシーンですが、じわっときました。 このあと飛躍的に治療法が進んだと言われているポンペ病、完全治癒にまで行って欲しいと思う物語でした。(Ka)


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夫婦でポンペ病の進行状況を聞く

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体力のないパトリック

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症状の重いパトリックを抱くジョン

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もう彼しかいない、やっと会えたストーンヒル博士、でも彼はがちがちの学者だった

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メーガンと話す博士

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