anttiorbの映画、映像の世界

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青い鳥

2008年作品、中西健二監督、阿部寛主演。

園部真一(本郷奏多)は自転車通学をしている。 しかし必ず自転車を止め見つめる今は営業していないコンビニがある。 「コンビニエンスノグチ」 ただ無言で見つめる園部。
バス停から下りた村内(阿部寛)は東ケ丘中学校にやって来た。 2年1組の担任が休暇を取るということで、臨時教員として赴任してきた。 ここでは”ベストフレンド運動”というのを掲げている。 教師が門にのところに立ち、おはようの声掛けをしている。
廊下に “青い鳥” と書かれたポストが設置してある。 村内は紹介されようとすると、席を立って2年1組に向かっていった。 
2年1組では前学期、野口という男子生徒がいじめによる自殺未遂を起こしていた。野口は転校していき、クラスは反省文を5枚書かされ、教師からOKが出なければなんども書き直しをさせられていた。
村内は吃音だった。 戸惑う者、ちょっとばかにする者、不安そうな顔をする者、2年1組の反応は複雑だったが、村内はその日の日直のふたりにあることを命じるのだった。 野口の机を教室に戻すというのだった。
その日の日直は園部だった。 元の席に机を戻し、そして村内は 「野口君おはよう」 と毎日声をかけるのだった。 野口の机には 「コンビニエンスノグチ」 と落書きされている。
いじめとは家がコンビニのため、“コンビニくん”とあだ名され、店の商品を級友たちに渡していた。家の商品を万引きしていたのだ。 遺書にはいじめをしていた3人の名前が記されていたが、公表されなかった。
一見もう野口の事件は収まっていたと思われていたクラスは、また村内のために動揺を見せ始めるのだった…

ここ数年躍動感のある役の多い阿部寛でしたが、吃音の謎の教師という不思議な役を演じています。
元は短編作品とのことですが、なるほど映画もちょっと引っ張った感じの物語になっています。 なので細かいところまでが描かれており、阿部ちゃん演じる村内の不思議さが結構浮き上がって見えていますね。
決して声を荒げない教師の村内ですが、事なかれ主義、マニュアル主義で事件を済ましてしまおうとする学校側とは真逆のやり方を取ることで、一番心に重石を持ったクラスの生徒たちに、もう一回事件を見つめ直す機会を与え、それを踏まえて乗り越えさせていくところは、結構深い出来ではないかと思いました。
ただ根本的にこのクラスはどこにでもいるクラスという感じで、あまり露骨ないじめシーンが無いことから、いじめという自覚さえも当時はなかったのではとも取れるところがありましたね。 実はこれが一番恐ろしいことではないでしょうか。
確信犯よりも、自覚のない行動、でもそれによって追い詰められていくターゲットになった生徒。 そんな現実は結構あるのではないかと考えさせられる物語でした。
地味なつくりでしたし、解決したのかの定かではありませんが、いじめ問題の一部を見た感じの作品でした。

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東ケ丘中学校にやって来た村内

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静かに教室に向かう村内

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放置されていた野口の机

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そしてまた教室に

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終わったはずの事件だったのに

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